(1)商談の切り出し方
<用件先行型>
李 :では、用件を先に済ませてしまいましょう。
取引先:ええ、そうですね。
李 :早速ですが、当社がご提案した共同企画の件、ご検討いただけましたか。
取引先:ええ、上司とも相談いたしましたが、大変乗り気でありまして、ぜひご一緒にとのことでした。
李 :いやぁ、よかったです。私もほっといたしました。では、今後、双方から案を持ち寄って、具体的なプランの練り合わせをするということにいたしましょうか。
取引先:そうですね。
<結論先行型>
李 :早速ですが、結論から先に申し上げます。実は貴社のご提示された条件を検討させていただいたのですが、二、三の項目につきまして、再検討いただきたい箇所がございまして、・・・。
取引先:と、申しますと。
李 :まず、この項目の・・・・・・の箇所について何ですが、この条件では当社としては、とても採算がとれません。
取引先:では、率直なところをお聞かせいただけませんか。
<繰り返し型>
李 :既にご存じのこととは存じますが、この度当社が開発いたしました××××(商品名)につきまして、ぜひとも、その販売を貴社にお願いできないかと思いまして、・・・。
取引先:こちらこそ、○○社さんとは長いおつきあいでございますので、ぜひそうさせていただけたらと望んでおりました。
李 :ありがとうございます。実は、当社の基本的な考えを文書にしてまいりましたので、ご検討いただけないでしょうか。
取引先:拝見します。
常套表現と解説
・ 用件を先に済ませてしまいましょう
早速ですが、結論から先に申し上げます
既にご存じのこととは存じますが
・ 率直なところをお聞かせいただけませんか
ご検討いただけないでしょうか
双方から案を持ち寄って練り合わせをするということにいたしませんか
お互い忙しいビジネスマンですから、「用件の説明は簡潔に」が第一原則で、「先に用件を終わらせる」が第二原則です。お互いが顔見知りの間であれば社交辞令的な会話は不要で、ずばり、・のように言って本題に入った方がいいでしょう。そして、用件を伝えた後で、自社の希望を伝える時に使われるのが、・のような表現です。ビジネスの世界では回りくどい話はしないで、はっきり希望や条件を提示して商談を進める方がいいでしょう。「時は金なり」、つまり、時間は一分でも無駄にしないことです。