被災地では、厳しい寒さが続いています。避難所でも暖房設備が行き渡っていないところがあります。山岳医療を専門とする医師などでつくる日本登山医学会では、いわゆる低体温症になった場合に、命に関わる場合があるとしてホームページで注意を呼びかけています。
低体温症は寒い場所で体の外に熱が奪われることでなるもので、最悪の場合、意識を失って死亡することもあります。日本登山医学会によりますと、低体温症になりやすいのは、お年寄りや子ども、それに糖尿病などの持病がある人のほか、健康な大人でも栄養不足や疲労の状態にある人や、水分が不足したり、けがをしたりしている人も、なりやすくなります。この低体温症、症状としては震えが止まらない、ふらつく、あるいはつじつまの合わないことを言うなどで、その対策としては衣服がぬれていた場合にはそれを脱いで毛布にくるまるなどして保温に努めてください。
そして、脱水症状を防ぐために水分の補給を欠かさないことが必要です。被災地では、水も食料も非常に不足していると思いますが、できるだけ脱水症状を防ぐために水分の補給も欠かさないことが肝心です。症状が重い場合には、脇の下や首筋、またの付け根など太い静脈が通っている場所に、最大で42度までのお湯を入れたペットボトルを当てて温めることも低体温症については効果的だということです。日本登山医学会理事で医師の増山茂さんは「避難所などの室内でも低体温症になる危険性は十分にあり、気づかずに重症になると生命に関わる。暖房の行き渡っていない被災地では特に十分に気をつけてほしい」と話しています。