第十八課 家庭訪問
前文
日本の会社をよりよく理解するために、李さんは訪日の機会を利用して松本さんの家を訪問しました。
松本さんは今年四十八歳で、ある電機会社に勤めています。子供は二人います。給料は残業手当も含め、月三十五万円ぐらいです。奥さんはスーパーでパートをしています。
日本では、カラーテレビ、洗濯機、冷蔵庫の三つはほとんどの家庭にありますが、生活は苦しいと思っている人がまだまだ多いそうです。それは、物価は年年上がるばかりで、収入はそれに追い付かないからです。それから、住宅問題も大変です。ちょっとしたマンションが何千万円もするそうです。安月給のサラリーマンは二十年から三十年先まで月月ローンを支払わなければなりません。そして、土地の値段が暴騰したので、家はもちろん、マンションやアパートの家賃もとても高くなってきているそうです。それで、サラリーマンにとってマイホームは「高嶺の花」だと言われています。
会話
(玄関で)
李 :(チャイムを鳴らす)
松本:はい、どちらさまですか。
李 :李と申します。
松本:あ、李さん、今、ドアを開けますから、ちょっとお待ちください。
松本:やあ、よくいらっしゃいました。どうぞお上がりください。
李 :お邪魔します。
(部屋で)
松本:どうぞこちらへ。
李 :失礼します。
松本:今、お茶を入れますから。
李 :どうぞおかまいなく。あのう、これ、中国のお菓子です。お口に合わないかもしれませんが、どうぞ、召し上がってください。
松本:どうもありがとうございます。
李 :今日はご家庭のことについていろいろお訪ねしたいんですが、よろしいでしょうか。
松本:どうぞ、何でも聞いてください。
李 :失礼ですが、松本さんは今年おいくつですか。
松本:今年四十八歳です。
李 :どこに勤めていらっしゃいますか。
松本:電機会社に勤めています。
李 :お子さんは何人ですか。
松本:子供は二人います。
李 :お給料はいくらぐらいですか。
松本:残業手当も含め、月三十五万円ぐらいです。税金や社会保険料などが天引きされて、手取りは二十八万円ぐらいです。
李 :奥さんは働いていらっしゃいますか。
松本:家内はスーパーでパートをしていて、一か月に六万円の収入があります。一家の収入は全部で三十四万円ぐらいです。
李 :日本の方は貯金に大変熱心だと聞いていますが。
松本:ええ、それは家を買うため、子供の教育のため、老後のために普段から準備しておく必要があるのです。
李 :話によると、カラーテレビ、洗濯機、冷蔵庫の三つは日本の九十九パーセントの家庭にあるそうですね。
松本:ええ、車のある家庭も七十パーセントを超えています。
李 :みんな、豊かな家庭ですね。
松本:確かに調査によると、年収が百万円以下の家庭はほとんどないようですが、しかし、金持ちと言ってよいかどうか、むしろ、生活は苦しいと思っている人もかなりいるのではないでしょうか。
李 :国全体として、物は豊かになったでしょう。
松本:ええ、僕の子供のころと比べて、本当に物は豊かになりました。
李 :しかし、食べる物が高すぎると思いませんか。一回の食事代が千円、コーヒー一杯四百円、小遣いがすぐなくなってしまうでしょう。
松本:ええ、そうです。僕は給料を全部家内に渡し、その中から六万円小遣いとしてもらいます。床屋代が三千円、あと、昼食を食べたり、たばこと新聞を買ったり…。たまに、友達とお酒を飲むと、一万円ぐらいすぐなくなります。
李 :松本さんは奥さんに家計を全部任せているんですね。
松本:ええ、結婚して以来ずっと…。物価は年年上がるばかりで、収入はそれほど多くなりません。だから、家内は家庭のためにいろいろと工夫しています。
李 :住宅のことについて少し伺いたいんですが、よろしいですか。
松本:ええ、どうぞ…。どんなことを聞いてもかまいませんよ。
李 :そのアパートに住んで、もう何年になりましたか。
松本:もう十五年になりました。子供たちも大きくなって、家の中が狭くなってきているから、来年こそは住まいを買おうと決心しましたが…。
李 :松本さんは家を建てたくありませんか。
松本:いいえ、マイホームを持ちたいとは思いますが、とてもそんな大金がないから、分譲住宅を買うことにしました。
李 :じゃ、庭付きの家を買うつもりですか。
松本:いいえ、そんなつもりはありません。庭付きの家を買うのはちょっと無理ですよ。最近は四千万円以上もするそうです。マンションなら何と買えそうですが。ほら、この広告を見てください。駅の近くに分譲マンションがあるんだって。
李 :分譲マンションって何ですか。
松本:マンションの一部屋を買ってしまうんですよ。
李 :それは高くないんですか。
松本:いやいや、そんなことはありません。サラリーマンの僕にとってはやはり高いんですよ。
李 :どのぐらいするんですか。
松本:東京では、ちょっとしたマンションが三千万円もしますよ。安月給のサラリーマンは二十年から三十年先まで月月ローンを支払うことになりますよ。
李 :三十年先だったら定年になるまでずっとローンを支払っていかなければならないんですか。
松本:そうです。だからローン地獄という言葉があるぐらいです。
李 :東京では、家を建てることは難しいですか。
松本:はい。最近は土地の値段が暴騰したので、家はもちろん、マンションやアパートの家賃もとても高くなってきています。都心部の地価は一坪一億円もしますよ。
李 :それじゃ、世界で一番高いじゃありませんか。
松本:そのとおりです。
李 :日本では、持ち家の割合はどのぐらいですか。
松本:そうですね。自営業の世帯は八十パーセント以上が家を持っていますが、サラリーマンは半数以上が家を借りて住んでいます。
李 :サラリーマンが一軒の家を買うのに、年収の七倍ぐらいが必要ですね。
松本:ええ、そうです。ですから、若い時は借家に住んでいて、四十代になって、子供たちが大きくなると、家を買うサラリーマンが多いですね。
李 :すなわち、サラリーマンにとって、マイホームは「高嶺の花」ということですね。
松本:そのとおりです。「衣」「食」に比べて、「住」の面で、日本はまだまだ改善の必要があると思います。
李 :今日はいろいろうかがって本当にいい勉強になりました。
松本:また、いらっしゃってください。
李 :どうも、ありがとうございます。じゃ、今日はこれで失礼します。
ファンクション用語
心配(しんぱい)
A 弱りましたね。
B 何かあったんですか。
A 弟が重い病気にかかりました。それが心配でなりません。
B そうですか。困りましたね。どうしましょう。
単語
より(副)①
訪日(ほうにち)(名)〇
松本(まつもと)(専)〇
給料(きゅうりょう)(名)①
奥さん(おくさん)(名)①
パート(パート タイマーの略)(名)①
冷蔵庫(れいぞうこ)(名)③
物価(ぶっか)(名)〇
年年(ねんねん)(副)〇
上がる(あがる)(自五)〇
収入(しゅうにゅう)(名)〇
追い付く(おいつく)(自五)③
住宅(じゅうたく)(名)〇
ちょっとした(連体)①〇
マンション(名)①
安月給(やすげっきゅう)(名)③
月月(つきづき)(名 副)②
ローン(名)①
支払う(しはらう)(他五)③
暴騰(ぼうとう)(名 自サ)〇
アパート(名)②
家賃(やちん)(名)①
マイホーム(名)③
高嶺の花(たかねのはな)(慣)〇
玄関(げんかん)(名)①
お子さん(おこさん)(名)〇
税金(ぜいきん)(名)〇
保険料(ほけんりょう)(名)②
天引き(てんびき)(名 他サ)〇
手取り(てどり)(名)③
家内(かない)(名)①
貯金(ちょきん)(名 自他サ)〇
老後(ろうご)(名)①〇
超える(こえる)(自一)〇
年収(ねんしゅう)(名)〇
以下(いか)(名)①
金持ち(かねもち)(名)④③
むしろ(副)①
小遣い(こづかい)(名)①
床屋(とこや)(名)③
家計(かけい)(名)〇
いろいろと(副)〇
工夫(くふう)(名 他サ)〇
狭い(せまい)(形)②
来年(らいねん)(名)〇
住まい(すまい)(名)②
決心(けっしん)(名 自サ)①③
大金(たいきん)(名)〇
分譲(ぶんじょう)(名 他サ)〇
つき(接尾)
一部屋(ひとへや)(名)②
地獄(じごく)(名)③
地価(ちか)(名)②
坪(つぼ)(名)〇
億(おく)(名)①
持ち家(もちいえ)(名)②
割合(わりあい)(名)〇
自営業(じえいぎょう)(名)②
世帯(せたい)(名)②①
半数(はんすう)(名)③
軒(けん)(名)②
倍(ばい)(名)①〇
借家(しゃくや)(名)〇
衣(い)(名)①
食(しょく)(名)〇
住(じゅう)(名)①
面(めん)(名)①
改善(かいぜん)(名 他サ)〇
(感谢 xzbaszy 输入课文和单词)
一、ばかりだ
ばかりだ接在动词基本形下面表示一直都是某个动作,可以翻译成“一直……”“一味地”“只是”等。
e.g:物价は年々上がるばかりで、收入はそれに追い付かない。
物价年年上涨,收入都追不上了。
病気は悪くなるばかりです。
病情一味地恶化。
雪はますます激しくなるばかりで、止みそうもありません。
雪一个劲的下,没有停的迹象。(止みそう这是一个意志形,表示“要停”)
二、……はもちろん……も……:表示“不用说……,就连……(也)……”
首先我们先学习光是“はもちろん”这个部分。
看下面的例句我们来了解一下这个语法的含义。もちろん表示一个强烈的肯定与其,什么什么是当然的。
e.g:文学作品の翻訳はもちろんむずかしいです。
不用说文学翻译是很难的。
それはもちろんのことです。
那是当然的。
所以“はもちろん”就是表达出了这个事物是“不用说怎么怎么样的”,那么我们可以再在后面加一个……も……来表示对比,这个事情就不用说了,连另外一个也怎么怎么样。
e.g:家はもちろん、マシュンやアパートの家赁もとてもたかくなってきているそうです。
家就不用说了,连公寓和宿舍的房租都在变的很贵了。
e.g:敬意は表すものとして、敬語はもちろん、静かな話し方、一生懸命相手の話しを聞く態度なども大切なものです。
作为表示敬意的方式,不用说教育,认真地听取对方说话的态度,这也是很重要的。
三、……「のに」表示目的
以前我们学过のに的用法类似于が,表示转折。在这里我们学习它的另外一个语法,很容易混淆的,只有通过具体的句子才能明白是表示转折还是表示目的。
在这里,の是接前面的短句,使之体言化,然后接表示目的的格助词に。
の前面是意志形连体形现在时表示目的,に后面表示说话人的评述,或者为达到目的所进行的动作或必须的条件。
e.g:サラリーマンが一轩の家を買うのに年收入の七倍ぐらいが必要です。
公司职员买一轩的家,花掉年收入的七倍是必然的。
この部屋は静かで勉強するのにいいです。
这屋子安静,用来学习不错。
四、提示助词「こそ」
接在体言,助词等下面提示主语,宾语,状语等,表示特别强调,类似“只有”“惟有”“才是”。有点类似于英语的only。我们来看看具体的例句吧。
e.g:ーよろしくお願いします。
ーこちらこそ。
请多关照。
哪里哪里。(我这边才是需要你照顾的)
失敗こそ成功のもとである。
(唯有)失败(才)是成功之母。
五、金额+する
接在金额等词干下面表示需要该金额,即,要花多少钱。这个语法很简单,我们可以直接来看例句。
e.g:それは一万円くらいします。
这个要一万日元左右。
ちょっとしたマシュンが何千万もするそうです。
听说稍微(好一点)的公寓就要花好几千万。
注意一点数词后面使用も是为了强调数量很高,这个语法我们曾经学到过的。另外需要提一点的就是,钱数+かかる是花多少钱,常常表示购买这个动作,也就是更强调客观。,而我们现在学的这个语法其实更强调一个虚拟化的价值,也就是说,强调主观,有些细微的差距,希望大家用心去体会,不过在购买和物体价值之间的语感差别不大的时候,两者是可以互换的。
六、……(の)ではないでしょうか
我们先拆分一下ではないでしょうか为:では+ない+でしょうか,直译的意思是:不会怎么样吧?这个语法表示出讲话者用询问的口气向对方提出自己不敢贸然断定的事物。翻译为“是不是……?”“会不会……?”
前面用の的时候是为了将前面的用言进行体言化。要是前面是体言自然就直接加。
我们来看例句:
e.g:彼は魚が好きなのではないでしょう。
他会不会喜欢吃鱼?
かれは場所を間違えたのではないでしょうか。
他不会是把地方搞错了吧?
七、……じゃありませんか
体言,形容动词词干,动词或形容词基本形+じゃありませんか,表示对于自己的判断征求对方同意或者反问,反驳。句末用降调。
其实很好理解,我们来看:表示否定的じゃありません+表示疑问的か,负负得正,类似于中文的双重否定等于肯定。所以这里表达出说话人就是这么想的,但是以日本人一贯的暧昧情绪,所以就想以疑问的方式提出来,委婉表达出希望对方能够肯定的希望。
e.g:世界で一番高いじゃありませんか。
不是世界第一高吗?
それはあなたが探しているものじゃありません。
这不是你找的东西吗?
八、ことになる:说明结果
用于说明结果,它所表明的结果不是未知的推断,而是基于所举事实得出的结论。
如结果是过去的事情,要用「...たことになる」。
可以翻译成“就怎么怎么样了”,有时候甚至也不必翻译出来,需要灵活对待。
嗯……这么说的话,可能不方便大家理解,那么我们还是按老办法来,看看例句,然后在例句中理解语法点。
e.g:每年五センチ伸びると、五年で二十五センチ伸びることになります。
每年长长五公分,五年就长长二十五公分。
我们可以看出,后句其实就是前句这个前提发展下去的结果:变成了长长二十五英寸这个结果,所以和なる的本意也并不冲突,也就很方便理解了。
明日も学校を休むと、一週間学校を休むことになります。
明天还请假的话,就是请了一个星期的假了。(变成了请假一个星期的这样一个结果)
九、って表示转达别人的话
这个语法很简单,用于口语,可以表示转达别人的话,即等于と。句末要用降调。
e.g:あの映画はとてもいいんだって。
(说)在那电影不错。
需要注意一点的是,由于该语法用于口语,所以前面引用别人的话也多是简体(口语嘛)。