家に帰ると、妹がいた。
珍しい。日曜日に遊びに出かけてないなんて。
それに今日は、父親と母親もいた。
ぼく以外の家族三人が、リビングでケーキを食べていたのだ。ぼくも手と顔を洗ってからそれに参加する。これで四人全員がそろうことになる。
ケーキは、ドイツ風。フルーツとナッツがはいってる。きっと、おそろしいほどカロリーが高い。でも、今日、ぼくは、ハード・トレーニングのあとだ。
妹は、
「お兄ちゃん、デートだったの?」
と、ぼくに話しかける。
その口ぶりは、ぼくが山口と会っていたのではないことを知っている様子だ。伊田さんとだったことまで気づいているのかもしれない。
「さあ、どうだろう」
父親と母親は、ぼくの答えに、顔を見合わせて微笑む。
妹とは違って、勉強とスポーツばかりしていた息子にガールフレンドができたことを喜んでいる?