[書き下し文]子曰く、異端を攻むるは、これ害あるのみ。
[口語訳]先生(孔子)がこうおっしゃった。『正統な先王(聖人)の道以外の異端の学問を修めることは、益なくしてただ害悪があるだけだ。』
[解説]異端の解釈には二通り考えることができ、一つは口語訳に書いたように孔子が正統な学問であると考えた「周王の道(忠義と礼楽)」以外の「異端の学問」という意味である。もう一つは、織物の両端のことを「異端」とする解釈があり、同時に二つの異端から織物を巻き取れないように、同時に二つ以上の学問を学び取ろうと思っても中途半端に終わって上手くいかなくなると理解することもできる。学術研鑽を行う場合には、まず一つの専門分野に集中したほうが、学問を修めやすいという意味にも読める。