[書き下し文]子、公冶長(こうやちょう)を謂わく(のたまわく)、妻(めあわ)すべし。縲紲(るいせつ)の中(うち)に在りと雖(いえど)も、その罪に非ざるなりと。その子を以てこれに妻す。
[口語訳]先生(孔子)が公冶長を評して言われた。『公冶長は娘を嫁にやってもよいほどの人物である。罪人として牢獄に入れられたこともあったが、実際には無実であった。』そして、自らの娘を公冶長の嫁とした。
[解説]公冶長は鳥の言葉を理解して伝達するという特殊技能を持っていたようだが、その詳細については明らかではない。孔子がその人物と能力を見込んで、自分の娘を嫁がせたほどの人であるが、論語の他の篇に「公冶長」の名前や事績(問答)が残っていないことから、実際には儒家として大成しなかったとも言われる。