[書き下し文]子夏曰わく、百工(ひゃっこう)は肆(し)に居て以てその事を成す。君子、学びて以てその道を致す。
[口語訳]子夏が言った。『職人は店に居て、その仕事を完成させる。君子は学問を行って、究極の道を修める』。
[解説]社会に必要な道具・商品を製作する職人は「労働者階級」として店で働かなければならないが、国家の政治に携わる君子は「知識人階級(読書人階級」として学問の道を誠実に修めていかなければならない。古代社会の封建秩序を支えた身分制のエートス(行動様式)について子夏が述べた部分である。