綾辻 行人(あやつじ ゆきと、1960年12月23日 – )は、日本の小説家。本名は内田 直行(うちだ なおゆき)。京都府京都市出身の男性。「館シリーズ」などの代表作により、新本格派ミステリー作家として知られる。
本格ミステリ作家クラブ執行会議。日本推理作家協会会員。元本格ミステリ作家クラブ事務局長。
作品の多くに見られる大きな特徴としては、ストーリーの構図をどんでん返しによって転換させるようなパズラー的ストーリー構成である。物理トリックの構成よりも叙述トリックを得意とし、心象描写が非常に多く、叙情的な風韻を色濃くもった幻想文学的な文体を用いる。これは本人の愛好するエラリー・クイーンらの精巧かつ緻密な本格推理の文体とは趣を異にするもので、幻想小説やホラーなどの傍流にもおいても作品を著したほか、それらの意匠を本領のミステリにおいても好んで用いる。
作中で活躍する探偵役は、島田潔、明日香井兄弟など。デビュー作『十角館の殺人』に登場する島田潔の名前は、島田荘司とその作品に登場する名探偵、御手洗潔を合わせたものである。この命名については綾辻自身も後悔したらしく、「こんなに長く続くシリーズになるとわかっていたら、もっとちゃんと考えてつけたのに」と述べている。