小説家(明治12‐昭和37)。本名忠夫。岡山県の旧家の生れ。初期には白丁,剣菱,影法師,XYZほかの匿名を使っている。1901年,東京専門学校(現,早稲田大学)文学科を卒業,同校出版部に入る。この間,内村鑑三の感化を受け,植村正久の手で受洗したが,ほどなく教会からは遠ざかった。島村抱月の指導の下で《読売新聞》の〈月曜文学〉欄に批評を書いていたが,03年同社に入社,美術欄で気鋭の筆をふるう。04年11月,《寂寞》を《新小説》に発表したが,小説家として認められたのは07年2月《趣味》に書いた《塵埃》からである。
代表作
『何処へ』
『入江のほとり』
『最後の女』
『自然主義盛衰史』