紅海に面した世界有数のリゾート、エジプトのシャルムエルシェイクで、今月に入って海水浴の客などがサメに襲われる被害が相次いで1人が死亡し、現地では緊急の安全対策に追われています。
エジプトのシャルムエルシェイクは、年間400万人が訪れる日本人にも人気のリゾートで、この時期、海水浴やダイビングなどを楽しむ旅行客でにぎわいます。ところが、今月に入って海水浴客がサメに襲われる事件が5件相次ぎ、5日にはビーチで泳いでいた70代のドイツ人女性がサメに手と足をかまれて死亡したほか、ロシア人やウクライナ人あわせて4人がけがをしました。エジプト政府は、サメの捕獲作戦を行い、これまでに2匹が捕まりましたが、付近一帯にはまだほかにもサメがいるとみられています。このためビーチに監視塔を設置したり、沖合にボートを出したりして警戒に当たるなど対応に追われています。サメが出没した原因についてエジプト政府が専門家と調査を行ったところ、付近の海水温が例年より4度も高いことが分かりました。通常はこの水域に入り込まないサメが生息範囲を広げている可能性があると見ています。エジプト政府は、今後、さらにサメの生息調査を進め、対策を強化することにしています。