コレラの感染が拡大しているカリブ海のハイチでは、農業用水からの感染を恐れ、主食のコメの栽培を取りやめる農家が増えていて、国連は、このままでは食糧不足に陥るおそれもあると指摘しています。
ことし1月の大地震からの復興が遅れているハイチでは、コレラの感染が広がっていて、国連によりますと、死者はすでに2700人を超え、感染した人は13万人余りに上ります。こうしたなか、FAO=国連食糧農業機関は、29日、北西部の稲作地帯を中心に、農家の間で、農業用水を通じたコレラへの感染を恐れ、主食であるコメの栽培を取りやめる動きが急速に広がっていることを明らかにしました。また、コレラの感染が深刻な地域で生産されたコメの購入を手控える住民も増えているということです。ハイチでは、先月、ハリケーンによる洪水でおよそ7万8000ヘクタールの農地が被害を受けたばかりです。FAOでは、このままではハイチ全土で食糧不足に陥るおそれもあるとして、農家に感染を防ぐ方法を指導するなどコレラ対策を強化する方針です。