EU=ヨーロッパ連合は、天然ガスの輸入でロシアに大きく依存するなか、調達先の多様化を目指し、中央アジアのアゼルバイジャンから天然ガスの供給を受けることになりました。
これは、アゼルバイジャンの首都バクーで13日、EUのバローゾ委員長とアゼルバイジャンのアリエフ大統領が会談し合意したものです。それによりますと、アゼルバイジャンは、現在計画されている中央アジアとヨーロッパを結ぶパイプラインを経由して天然ガスをEU各国に供給するとしています。EUは、輸入する天然ガスのうち、およそ30%をロシアに依存していますが、過去には経由国ウクライナとロシアの対立から供給が一時的に止まる深刻な事態も起きています。このため、EUは、調達先の多様化を目指して中央アジアや中東で産出される天然ガスをロシアを通らずにヨーロッパまで運ぶパイプインの建設計画を進めていますが、ガスの供給国の確保が大きな課題となっていました。今回、アゼルバイジャンから天然ガスの供給を受ける見通しが立ったことについて、EUのバローゾ委員長は「ヨーロッパのエネルギー安全保障を強化することになる」と述べ、合意の意義を強調しました。しかし、この地域ではロシアが対抗して、トルコ沖合の黒海の海底を経由してヨーロッパへ運ぶ別のパイプラインの計画を進めており、今後、EUのパイプライン計画については、う余曲折も予想されます。