ネパールで、政府軍と武装勢力の停戦の監視などに当たってきた、日本の自衛隊員を含む国連の代表団が撤収することになり、武装勢力の兵士の処遇などを巡って与野党の対立が先鋭化して国の再建が遅れることへの懸念が出ています。
ネパールでは、政府軍と毛沢東主義派の間で10年に及んだ内戦が終わったあと、王制が廃止され、ネパール政府の要請に基づいて、国連は2007年から停戦の監視などを行なう代表団を派遣し、日本からは自衛隊員6人が参加しています。代表団は、当初、内戦を戦った武装勢力の兵士を軍や警察に統合する国家再建に向けた作業を1年間で終える予定でしたが、与野党の対立で作業が進まず、任期の延長を繰り返してきました。しかし、国連のスポークスマンは、ネパール政府から任期の延長要請が無かったことを理由に15日で任務を終えて撤収することになったことを明らかにし、日本の自衛隊員は、来週にも帰国する見通しとなりました。国連は、与野党に結束を呼びかけ、代表団の役割を引継ぐ委員会が設置されることになったものの、代表団の撤収によって、兵士の統合や新憲法の制定を巡る対立が先鋭化して、国づくりが停滞することへの懸念が出ています。