ニューヨーク原油市場は、リビア情勢が一段と緊迫していることなどを受けて原油の供給不安が高まり、先物価格は一時、1バレル=107ドル目前まで上昇し、およそ2年5か月ぶりの高値を更新しました。
週明け7日のニューヨーク原油市場は、リビアでカダフィ政権と反政府勢力との攻防が一段と激しくなっているうえ、ほかの中東の産油国に混乱が波及するのではないかとの警戒が高まり、原油先物への買い注文が増えました。その結果、国際的な原油取引の指標となっているWTIの先物価格は、時間外の取引で、一時、1バレル=106ドル95セントと、107ドル目前まで上昇し、2008年9月末以来、およそ2年5か月ぶりの高値を更新しました。また、中東の混乱の広がりを受けて、投資家の間でリスクを避けようと、資産価値が目減りしないとされる金の先物を買う動きが強まり、ニューヨーク市場の金の先物価格は一時、1ァ◇ス=1445ドル70セントをつけて史上最高値を更新しました。市場関係者は「原油高騰に伴ってアメリカのガソリン価格も上昇しており、車をひんぱんに使うアメリカの消費者心理に悪影響を及ぼし、景気回復に水を差すのではないかとの懸念も広がりつつある」と話しています。