全校児童108人のうち74人が死亡したり、行方不明になったりしている宮城県石巻市の小学校で、震災のあと初めての登校日が設けられ、校長が集まった子どもたちに「生き残ったみんなで力を合わせて頑張っていこう」と声を掛けました。
宮城県石巻市の大川小学校は、児童たちがグラウンドに避難している最中に校舎の2階を超える高さの津波に襲われ、全校児童108人のうち56人が死亡し、18人の行方が分からなくなっています。29日は、震災のあと、初めての登校日が設けられ、児童の多くが避難している施設に近い小学校に、児童28人が集まりました。教室では、亡くなった児童の冥福を祈って黙とうしたあと、柏葉照幸校長が「たくさんの友達が亡くなったり、行方が分からなくなったりしているが、生き残ったみんなで力を合わせて頑張っていこう」と声を掛けたということです。子どもたちは、悲しみや不安の表情を見せながらも、全員で「はい」と返事をしたということです。学校では今後、カウンセラーによる児童の心のケアなどを進めていくことにしていて、柏葉校長は「子どもたちの心にはとても重たいものがのしかかっていると思うので、周りが助けて乗り越えていきたい」と話していました。