8万人を超す死者行方不明者を出した中国の四川大地震は、12日で発生から3年となります。中国政府は、壊滅的な被害を受けた被災地の集団移転を済ませるなど、復興はほぼ完了したとしていますが、依然として被災者の住宅や雇用の確保については課題が残されたままです。
3年前の2008年5月12日に発生した四川大地震は、8万7000人の死者行方不明者を出し、四川省とその周辺で大きな被害が出ました。被災地の復興について、中国政府は、日本円で12兆円規模の復興計画を策定し、壊滅状態となった四川省北川県の行政機能や住民の移転など、住宅やインフラの整備を進めてきました。その結果、中国政府は、これまでに220万世帯の住宅を再建するなど、計画の95%を達成し、ことし9月末までに復興を完了させるとしています。しかし、実際には、北川県だけで、およそ500世帯が今も仮設住宅で生活を続けるなど、被災者の間に格差も生じています。また、これまで大規模な復興事業によって確保されてきた被災者の雇用は、今後減ることが予想され、課題が残されたままです。被災地では、12日、地元政府の主催で、追悼行事が予定されており、復興の成果を強調することで共産党に対する求心力を高めようとするものとみられます。