恒星の周囲を回る軌道には乗らずに宇宙を漂う「浮遊惑星」とみられる天体を発見したと、日本などの研究チームが発表しました。宇宙の実態を解明するうえで貴重な資料として注目されます。
地球のような惑星は周回軌道に乗って恒星の周りを回っていますが、宇宙には、こうした軌道に乗らずに漂う「浮遊惑星」が存在するのではないかと指摘されていました。名古屋大学や大阪大学などの国際研究チームが、ニュージーランドの天文台に設置された特殊な望遠鏡を使って観測したところ、2006年4月から1年半の間に木星と同じ程度の質量の天体が新たに10個見つかりました。これらの天体の近くには恒星が無く、天体自身も恒星のように光を発していないことなどから、研究チームでは、「浮遊惑星」の可能性が高いとみています。また、研究チームが今回見つかった「浮遊惑星」の数を基に計算したところ、銀河系全体では数千億個の同じような惑星が存在することも考えられるということです。研究チームの一員で、大阪大学の住貴宏准教授は「惑星がどのように生まれ、その後、どうなるのか、一歩、解明に近づいた」と話しています。「浮遊惑星」については、2020年に打ち上げが計画されているNASA=アメリカ航空宇宙局の探査衛星が実際にその姿をとらえることが期待されています。