ドイツ北部を中心にヨーロッパで感染が広がっている病原性大腸菌について、WHO=世界保健機関は2日、声明を発表し、「極めてまれなタイプの大腸菌だ」という見方を示すとともに、感染ルートの特定を急いでいることを明らかにしました。
ヨーロッパでは、ドイツ北部を中心に病原性大腸菌の感染が広がっており、これまでに患者の数は1000人を超え、このうち18人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群などで死亡しました。これについて、WHO=世界保健機関は2日、声明を発表し、検出された大腸菌を調べた結果、「極めてまれなタイプの大腸菌であり、世界的にもこれまで集団発生したことはない」という見方を示しました。そのうえで、健康被害の拡大を防ぐため、WHOとしても感染ルートの特定を急いでいることを明らかにしました。WHOなどによりますと、この大腸菌は毒性や感染性が非常に高いということで、専門家の間では、この大腸菌が新しい種類である可能性を指摘する声も出ています。WHOでは、トイレのあとや食べ物を触る前に手洗いを徹底するとともに、最近ドイツ北部に滞在した人などで、出血を伴う下痢や腹痛などの症状が出た場合には、直ちに診察を受けるよう呼びかけています。