アサド政権による反政府デモへの弾圧が続くシリアでは、12日にも、イスラム教の金曜日の集団礼拝に合わせて各地で行われたデモに対して軍が発砲して、合わせて10人が死亡し、国際社会からの非難が強まっています。
シリアでは、アサド政権が反政府デモに激しい弾圧を続けていて、12日にも、イスラム教の金曜日の集団礼拝に合わせて各地で行われたデモに向けて軍が発砲し、これまでに10人が死亡しました。このうち、戦車部隊が出動している東部のデルゾールでは、軍がモスクを取り囲んで、礼拝を終えて外に出てくる人たちに対して銃撃を行ったということです。また、イスラム教徒が信仰心を深める断食月「ラマダン」の期間中にもかかわらず、一部で軍がモスクを占拠して礼拝を妨げており、市民の反発が一層強まるものとみられます。これに対して、アメリカのクリントン国務長官がアサド政権への制裁強化を呼びかけたほか、同じアラブ諸国のサウジアラビアやバーレーンなども大使を召還して非難を強めており、アサド政権の国際的な孤立はさらに深まるものとみられます。