国連は、干ばつによる飢きんが続くアフリカのソマリアで、衛生状況の悪化などから、住民の間でコレラの感染が爆発的に広がっていると警告しました。
ソマリアでは、過去最大規模の干ばつによる飢きんに加え、南部の大半を支配下に置くイスラム過激派組織が国連の食糧支援活動を妨害し、370万人が生命の危機にひんしています。こうしたなか、WHO=世界保健機関は、現地では、衛生状況が悪化して、コレラの感染が爆発的に広がっていると警告しました。コレラはソマリア国内でことし3月ごろから感染の拡大が報告されていましたが、特に、最近になって多くの避難民が押し寄せている首都モガディシオでは、コレラとみられる症状を訴える患者が、去年を大きく上回るペースで増えているということです。ことしすでに4200人余りが症状を訴えている病院もあって、この病院では5歳以下の子どもを含む180人以上が死亡し、一部の患者からはコレラ菌が確認されたということです。国連は、一刻も早く清潔な水や医薬品などを届ける必要があるとして、各国に支援を呼びかけています。国連の報道官は12日、「首都モガディシオに避難してきた人々の間でコレラの感染が広がっていることを憂慮している」と述べ、極度に栄養状態が悪化している人々の間での感染拡大に懸念を示しました。