ヨーロッパで信用不安の拡大が懸念されるなか、イタリアのベルルスコーニ政権は、今後2年間で財政赤字を455億ユーロ(およそ5兆円)削減する追加の緊縮策を決め、財政再建に取り組む姿勢を示しました。
イタリアは、巨額の累積債務に加え、毎年多額の財政赤字を出しており、市場では、自力で財政再建ができないのではないかという懸念から、今月、10年ものの国債が一時、ユーロ導入以来最安値をつけました。こうした事態を受けて、ベルルスコーニ首相は12日、緊急の閣議を開きました。そして、財政収支の均衡化を予定より1年前倒して2013年に実現するため、追加の緊縮策を決めました。緊縮策には、高額所得者への増税や地方交付金などの削減が盛り込まれ、その規模は来年からの2年間で合わせて455億ユーロ(およそ5兆円)となっています。追加の緊縮策は60日以内に議会で採決されることになっています。イタリアは先月、議会で5兆2千億円規模の緊縮策を可決したばかりですが、ベルルスコーニ首相は記者会見で、市場の投機的な動きがイタリアに向かってきたため、より厳しい対応が必要だったとして国民に理解を求めました。