不整脈など心臓の病気に使われる薬を服用していた高齢の男女5人が、副作用とみられる症状で死亡していたことが分かり、厚生労働省は、薬を販売している製薬会社に対し薬の添付文書を改定し副作用について警告するよう指示しました。この薬は、東京?品川区に本社がある製薬会社「日本ベーリンガーインゲルハイム」が製造?販売している「プラザキサカプセル」です。不整脈が原因で血のかたまりが出来やすくなった患者に対して、脳卒中の予防薬として使われるもので、ことし3月に販売が始まりました。
厚生労働省によりますと、ことし4月、この薬を服用していた80代の女性が副作用とみられる消化器の出血が原因で死亡したということです。この薬は血が止まりにくくなる副作用があり、重い腎臓病の患者には投与しないよう薬の添付文書に記されていましたが、亡くなった女性には腎不全の症状があったということです。その後、今月11日までの間に同じ薬を服用し死亡した4人の高齢者の中にも、腎臓の機能が低下していた人がいたということです。厚生労働省は、薬の服用と死亡との因果関係が否定できないため、製薬会社に対し、薬の添付文書を改定し重い腎臓病の患者に投与すると副作用が出るおそれがあるとして警告するよう指示しました。厚生労働省は「腎機能の低下がなければ服用をやめる必要はないが、出血や貧血がみられた場合はすぐ医師に相談してほしい」と話しています。