深刻な財政危機に陥っているギリシャへの支援を巡って各国の議論が高まるなか、ァ¢ンダの首相が財政規律を守れない国はユーロ圏からの離脱も選択肢に入れるべきだと提言したことについて、EU=ヨーロッパ連合の報道官がその可能性を否定するなど波紋が広がっています。
ァ¢ンダのルッテ首相は、7日、通貨ユーロの信用回復に向けた提言を発表し、ギリシャのような財政赤字が深刻な国を念頭に財政規律を守れない国に対しては制裁措置を強化し、こうした措置を受け入れられない国は「ユーロ圏からの離脱を選択肢として用意すべきだ」との考えを示しました。財政再建が進まない国のユーロ圏からの離脱についてEU加盟国の政府が公式に言及するのは極めて異例のことです。これについて、EUの本部のあるブリュッセルで8日開かれた定例の記者会見で質問が集中し、アルタファジ報道官は「EUの法的枠組みの下では、いったん加盟した国がユーロ圏から出る事態は想定されておらず、ユーロ圏からの離脱や追放はありえない」と繰り返しました。ただ、今回の発言をきっかけに、財政規律を守れない国のユーロ圏からの離脱を公然と求める政治家の発言がドイツなどからも出てきており、ギリシャなどへの支援を巡って、本格化しているヨーロッパ各国の議論に少なからぬ影響を与えることになりそうです。