南アフリカで化石が見つかったおよそ200万年前に生息していたとみられる新種の猿人が、石器などの道具を使うことができたとみられるなど、今の人類につながる祖先だった可能性があることが分かり、人類の進化の過程を考えるうえで貴重な研究として注目を集めています。
この新種の猿人は、3年前に南アフリカのプレトリア近郊の洞窟で化石が見つかったもので、今の人類を含む「ホモ属」が登場した時期に近いおよそ197万年前には生息していたとみられ、「セディバ猿人」と呼ばれています。南アフリカなどの国際研究チームが化石を分析した結果、セディバ猿人は、脳の大きさはホモ属に比べて小さいものの、骨盤の形が二足歩行に適していることや、手の親指が長く、石器などの道具を使うことができたとみられることが分かりました。このため、セディバ猿人は今の人類につながる祖先だった可能性もあるということです。猿人からホモ属への進化の時期や地域については、まだ分かっていないことが多く、人類の進化の過程を分析するうえで、貴重な研究として注目を集めています。この研究結果は、9日発行のアメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表されます。