宮城県気仙沼市では、津波の被害を免れた特産の「茶豆」の畑で、復興への願いを込めて収穫が始まりました。収穫はあと10日ほど続き、例年の3分の2に当たるおよそ9トンが、宮城県内や首都圏などに出荷されます。
枝豆の一種「茶豆」は、さやの毛が茶色で、香ばしい香りと深みのある味が特徴です。気仙沼市の階上地区では、農家が生産組合を作っておよそ5ヘクタールの畑で栽培していましたが、このうち4割ほどが津波の被害を受け、今は、がれき置き場になっています。残った畑でことし6月に種まきをして育ててきた茶豆が収穫の時期を迎え、9日朝から農家の人たち5人が出て刈り取りを始めました。刈り取りに使う機械は津波で流されてしまったため、宮城県登米市の農家から中古の機械を譲り受けたということです。収穫された茶豆は早速箱詰めされ、「復興」の文字が入ったシールが貼り付けられていました。生産組合の組合長、佐藤美千夫さんは「天候に恵まれ、品質のよいものが出来ました。復興の気持ちを込めて育てたので、全国の皆さんに味わってほしいです」と話していました。茶豆の収穫はあと10日ほど続き、例年の3分の2に当たるおよそ9トンが、宮城県内や首都圏などに出荷されます。