今はただ 思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
左京大夫道雅
【歌意】 今はもう?あなたを思い切ってしまおう。それを人づてではなく、直接お逢いして話すことができればいいのに。
【作者】 (さきょうのだいぶみちまさ) 993~1054年 藤原道雅。関白道隆の孫、伊周の子。
【説明】 三条院の皇女、当子(とうし)内親王のもとに、作者がひそかに通っていたことを天皇が聞き知り、監視の女房をつけたため、逢うことができなくなった折の歌。その後、内親王は尼となり、若くして死去した。