『日本を読む』 12

小林さんの日記

 

　次の話は小林さんの日記です。良く読んで次の質問に答えなさい。

 

十二月二十九日（月曜日）

 

　日本から来た田中さんが３日の間、家に泊まって今日ワシントンへいった。田中さんがいた３日の間にいろいろ面白いことがあった。

 

　まず、田中さんがトイレが終わるたびにトイレのドアをしめるので困ってしまった。トイレに田中さんが入っているのかどうかわからなくて、息子の正夫（まさお）と娘のよし子がいつもイライラしていた。日本の習慣でドアをしめてしまうのだろう。

 

　田中さんがアメリカ人と話がしたいと言うので、昨日の夜友達のホワイトさんとテーラーさんを夕食によんだ。田中さんはナイフやフォークの使い方はとても上手だが、スープを飲む時日本人がよく犯す間違いをした。お茶やコーヒーを飲む時と同じように音を立ててスープを飲み、最後にスープのカップを口に持っていってカップから直接飲んだのだ。ホワイトさんとテーラーさんは変な顔をしていた。また、ある時は、塩がホワイトさんのすぐ前にあってホワイトさんに頼めばすぐ取ってもらえたのに、自分で立ち上がって取ったり、テーラーさんが食べているのにその前を手を伸ばして、砂糖を取ったりした。アメリカでは食事の際一人一人自分の領域があり、そのなかに塩や砂糖、皿などがある時には、その人に取ってくれるように頼むのが普通だ、ということを後で田中さんに説明してあげた。ほかにも、自分のところに回って来た皿から半分以上も取ってしまいほかの人が食べられないこともあったりして、ホワイトさんとテーラーさんが何度もビックリしていた。後で応接間でコーヒーを飲んだ時に、ホワイトさんとテーラーさんに日本とアメリカの習慣の違いについて説明したら、田中さんがした間違いについてよくわかってくれて皆で大笑いした。

 

　私は全然気がつかなかったが、ホワイトさんとテーラーさんが嫌いなことが三つあった。一つは田中さんのポマードの匂いだそうだ。テーラーさんは前に日本人のビジネスマンと数回会ったことがあるが、皆ポマードをつけていてあの匂いがどうしても好きになれないと言う。また、田中さんが話をしている時に時々指を鳴らしたのが気味悪いと言っていた。日本人で指を鳴らす人がよくいるけれど、確かにあの音を聞いたら、気味悪いだろうなと思う。二人が一番気になったのは田中さんの「相づち」だそうだ。日本人は人の話を聞いている時、「はい」、「ええ」、「そうですね」など「相づち」を入れて、「私はあなたの話を聞いていますよ」という合図を話し手に送る。ところが、英語ではあまり「相づち」を入れない。そのため、田中さんが「相づち」のつもりで入れた'yes'という言葉を聞くとそれが邪魔になって話に集中できないそうだ。考えて見れば、私も「あなたの話を聞いていますよ」という意味で相手の話の途中で'yes', 'yes'と言っているような気がする。これから気をつけることにしよう。

 

十二月三十一日（水曜日）

 

　ワシントンは日本料理屋がたくさんありいつでも日本料理が食べられ、日本のテレビも見られるので本当に便利だ。私達も毎日日本のテレビ番組を見ている。今日のテレビでは、今年の年末の帰省客の話が一番大きいニュースだった。今年は２８日が日曜日のため２７、２８日から故郷へ帰る帰省客で各列車が満員になり、仕事納めの次の日の３０日に帰省ラッシュのピークになったそうだ。今年は、家で正月を迎えずに、海外やスキー場で正月を迎える人が多いと言う。週休二日制が広まり、今年は１２月２７日から１月４日まで９日間、休める人も多い由。日本人もようやく生活を楽しむ余裕がでてきたのだろうか。でも、うちの主人は昔の人間なので休みの日に家でゴロゴロ横になってテレビを見ていることが多い。どこかへドライブに連れていったり、おいしいレストランへ食べに連れていってくれるといいのだが、、、。

 

 

☆　次の質問に答えなさい。

 

１．田中さんが家に来たのはいつですか。

 

２．田中さんがした間違いについて簡単に書きなさい。

 

a.

 

b.

 

c.

 

d.

 

e.

 

f.

 

３．田中さんのことでホワイトさんとテーラーさんが嫌いなことを三つ簡単に説明しなさい。

 

a.

 

b.

 

c.

 

 

４．日本人が「相づち」を打つことによって送るのはどんな合図ですか。

 

５．ワシントンが便利なのはどうしてですか

 

６．今年日本ではどういう人が多いそうですか。