工業都市の蘭州で学生時代を送った。その二年間、青空と星が輝く夜空を一度も見たことがなかった。西北の荒涼さの特徴だと思っていたが、それは自然ではなく、人工的工業汚染であった。人類と共存してきた自然はいまや人間の限りない欲望の結果、人々の生活や生存まで脅かしている。
昔から人類は自然と戦ってきた。衣食住のため、自然を利用するのは、人間と環境の相互作用である。しかし、産業革命以来、資本の獲得、生活の豊かさ、快適さを求めるために、空を突くような煙突からは一日中煙りを放出し、汚水は澄んでいた川に流れ込んで水銀中毒などいろいろな環境問題をおこした。地球保護意識に目覚めた専門家によって自然破壊、環境汚染などの問題が警告されてきたが、先進国は自然保護の先頭にたって自然保護に取り組んでいながらも、自国の利益が損なわれない範囲に限るし、発展途上国は一日たりともはやく先進国と経済的、国力的に肩を並べたいとして、その環境が脅かされるのを甘くみている。また貧しい国では地球と言う意識さえ持っていないのである。今でもアフリカのある部族は集団移動するたびに一つの森を燃やして耕作するという話も真実だ。国際援助、環境保護を訴えることは急務だ。
新聞の記事であるイギリス人青年がりんごのへそまで食べる所を見て、不思議に思った。ゴミを減らすために苦いへそまで食べるのは納得が行かない半面、平時の自分の行動を振り返ってみた。人々のささいな行動に意識が込められ、自然を守っている。
人は地球に住まわせてもらっているのである。自然を征服するという本当の意味は、自然を守るのではなく、自然の豊かさに恵まれ、より深い関わりを保っていくことである。国々、人々はその関係を見直して、自然破壊に歯止めをかけてほしい。
(中国、女性)
教師より
大学の日本語科を志望し、将来日本語教師になることを目指しているだけあって、自然できれいな日本語です。これからの活躍を期待しています。