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犬神家族-第七章 噫無残!(6)

时间: 2022-05-31    进入日语论坛
核心提示:「そのことをだれか知ってるものがあるかね」「そんなこと、おら、知らねえ。みんな飯をくらうときお嬢さまのぐあいがわるいから
(单词翻译:双击或拖选)
「そのことをだれか知ってるものがあるかね」
「そんなこと、おら、知らねえ。みんな飯をくらうときお嬢さまのぐあいがわるいから、
今晚ひとばんつききりだといっただが」
「食事は何時ごろ」
「この家の召使の晚飯は、毎晚七時半ごろになるだね」
「猿蔵、おまえは古い琴の糸をもってるそうだね」
猿蔵はギロリと眼を光らせたが、無言のまま、おこったように首をたてにふっただけだ
った。
「よし、あとで見せてもらおう」
結局、猿蔵と珠世の?リバ?がいちばんふたしかだったが、しかし、猿蔵が佐智を殺そ
うと思えば、珠世をつれにいったとき、チャンスがあったはずである。それとも猿蔵はい
ったんこの家へかえってきてから、急に殺意を生じて改めて出向いていったのであろうか。
その猿蔵について、さっき古館弁護士が、こんなことをいったのを、金田一耕助は思い
出している。
「金田一さん、いつかあなたはあの猿蔵が、ひょっとすると静馬ではないかとおっしゃい
ましたね。あれはちがっていました。その後、猿蔵の身元を調査してみましたが、あいつ
は豊畑村のもので、五つのとき両親がなくなったので、珠世さんのお母さんの祝子さんが
ふびんがって、引きとって養育したんです。あいつを取りあげた産婆がまだ生きていて、
そのことを保証していますし、豊畑村にはまだそのほかにも、たくさん証人がいますから、
これだけはもうまちがいありません」
しかし、猿蔵が静馬であったにしろ、なかったにしろ、かれの挙動に多くの疑問がある
ことはいなめない事実である。すべてが暗合だといってしまえばそれまでのことだけれ
ど。……
そのとき横から、切りこむような鋭い調子で、口をはさんだのは松子夫人であった。
「署長さま、豊畑村の空き家には、復員風の男の足跡がのこっていたというじゃありませ
んか。佐武が殺された晚、下那須の柏屋へとまったという復員風の男は、まだこのへんを
うろついているのでございます。なぜ、そいつを一刻も早くつかまえないのです。そいつ
はいったい何者なんです」
松子夫人の鋭い詰問に会って、署長もいくらかたじたじしながら、
「いや……あ、それはもうぬかりなく手配はしてあるんですが、なかなか、すばしっこい
やつでしてね。それから、ああ、そいつの身元ですか、それについちゃ、佐武君の事件の
直後、博多の復員援護局へ、照会しておいたのですが、その返事が二、三日まえに来たと
ころによると、十一月十二日、すなわち、佐武君の殺された日より三日まえですね。その
十二日にビルマから復員者を乗せた船が、博多へ入港しているのですが、その船のなかに
たしかに山田三平と名乗る人物が乗っていたそうです。しかも、その男は落ち着きさきと
して、東京都麹町区三番町二十一番地、すなわち、東京のお宅を告げているんです。そし
て、そいつは博多へ一泊したのち、十三日にそこをたって東京へ向かっている。だから、
十五日の晚、下那須の柏屋へ投宿したのは、たしかにそいつにちがいないのですが、松子
奥さま、佐清さん、何度もおききするようですが、そういう人物に心当たりはありません
か」
仮面の佐清は無言のまま、首をかるく左右にふった。松子夫人はただ不思議そうに、ま
じまじと署長の顔を見詰めていたが、やがて渋い微笑をうかべると、
「それだけのことがわかっていれば、もっとなんとかなりそうなもの。……それで、豊畑
村の現場には、足跡のほかに何か証拠になるようなものは、のこっていなかったのですか」
「いや、それは、ま、いろいろとあるんだが……」
と、署長が話をはじめたとき、突然、横から金田一耕助が言葉をはさんだ。
「いや、それについて、ちょっと妙なことがあるんですよ」
「妙なことといいますと?」
「皆さんもすでにお聞きおよびでしょうが、佐智君は上半身はだかで椅子にしばられてい
たんですが、胸にも腕にもいちめんに荒縄のかすり傷があるんですよ。つまり|縛《いま
し》めを解こうともがいた跡なんですね。そして、それだけのかすり傷がつくからには、
荒縄が相当ゆるんでいなければならんはずだのに、われわれが発見したとき荒縄はがっき
りと、小ゆるぎもなく佐智君の体にくいいっていたんです」
松子夫人はまじまじと、金田一耕助の顔を見守っていたが、やがて落ち着きはらった声
で、
「それで……それがどうかしたんですか」
「いやあ、どうもせんのです。それだけの話ですがね。しかし、ぼくにはどうも変に思わ
れてしかたがないのです。それから、もうひとつ、署長さん、あれを。……」
金田一耕助にうながされて、署長がカバンのなかから取り出したのは一枚のワ?シャツ
だった。
「梅子奥さま。これ、佐智君のワ?シャツでしょうね」
梅子は涙のいっぱいたまった眼でそれを見ると、無言のままうなずいた。
佐智のワ?シャツには大きな特色がある。五つのボタンが全部、菊形の黄金の台座にダ
?ヤをちりばめた豪華なものだが、そのボタンのいちばん上のやつがひとつなくなってい
た。
「これがいつなくなったかご存じありませんか」
梅子は首を左右にふって、
「存じません。でも、それがいつなくなったにしても、佐智が外へ出てからのことでしょ
うよ。あの子はとてもおしゃれでしたから、ボタンのとれたワ?シャツなど、着て出るは
ずがありませんからね。現場にはなかったのですか」
「ありません。どこを探しても見当たらんのです。ひょっとすると、珠世さんを、その、……
なんしたとき、モーターボートのなかで落ちたんじゃないかと思って、それも調べたんで
すが見当たりません。ひょっとするとそのとき、湖水のなかへ落ちたのかな。それならば、
なんの証拠にもなりませんがね」
署長はそういって、そのワ?シャツを金田一耕助のほうへ押しやったが、ああ、そのと
きだったのだ。大山神主が風のようにとびこんできたのは。そして、あの世にも恐ろしい
秘密が暴露されたのは。……
それにしても、大山神主というひとは、なんという慎みのない人物であったろうか。そ
れはたぶん、おのれの発見に興奮し、夢中になり、有頂天になっていたのであろうけれど、
あれほど大きな他人の秘密を、あんなにも得々としゃべり散らそうとは。……
大山神主は一同の顔を見ると、いきなりふろしき包みをドサリと畳の上に投げだし、得
意になってこんなことをいったのである。
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