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犬神家族-第七章 噫無残!(7)

时间: 2022-05-31    进入日语论坛
核心提示:「わかりました。わかりましたよ。皆さん。故佐兵衛翁の遺言状の秘密が。佐兵衛翁が珠世さんに、あんなに有利な地位をあたえたの
(单词翻译:双击或拖选)
「わかりました。わかりましたよ。皆さん。故佐兵衛翁の遺言状の秘密が。……佐兵衛翁
が珠世さんに、あんなに有利な地位をあたえたのは、珠世さんが恩人の孫だったからじゃ
ないんです。珠世さんは実に、佐兵衛翁自身の孫だったんですよ。珠世さんのお母さん、
祝子さんというひとは大弐さんの奥さんの晴世さんと、佐兵衛翁のあいだに生まれた子ど
もだったんです。そして、そのことは大弐さんも知っていて許していたんです」
はじめのうち、一同は、それがなにを意味するのかわからぬように、ポカンとして、興
奮した大山神主のあから顔をみていたが、やがて、その恐ろしい意味がわかってくると、
はげしい動揺が一同をゆり動かした。
珠世は真っ青になり、いまにも卒倒しそうな眼つきをしていた。仮面の佐清はわなわな
肩をふるわせていた。松子、竹子、梅子の三夫人すらそのことは初耳だったとみえて、ほ
とんど殺気といってもいい光を|瞳《ひとみ》にやどして、にくにくしげに珠世の横顔を
にらんでいた。
金田一耕助は突然、ガリガリ、ガリガリ、めったやたらと頭の上の雀の巣をかきまわし
はじめたのである。
奇怪な判じ物
十二月もなかばを過ぎると、那須の湖は|汀《みぎわ》から凍りはじめる。スケートが
できるようになるには、ふつう年を越して、一月の中旬からだが、とくに寒気のきびしい
年は、どうかすると年内にすべれるようになることがあり、そういう年が五年に一度か六
年に一度はあった。
その年がちょうどそういう年にあたっていたらしく、十二月も中旬へ入ると、那須ホテ
ルの裏側にひろがっている汀は、朝な夕な、目に見えて氷が厚くなっていった。そして、
十二月十三日の朝、ついにそういう氷のなかから、犬神家の最後の犠牲者の、世にも異様
な|死《し》|骸《がい》が発見されたのだが、ここにはそのことにふれるまえに、もう
一度、事件をはじめから見直してみよう。
そのころ金田一耕助はそういう|蕭条《しょうじょう》たる湖畔のありさまをみるにつ
けても、日増しに|憂《ゆう》|鬱《うつ》の思いが濃くなっていた。
思えばかれが若林豊一郎の招きに応じて、那須市へ足をふみいれてからすでに二か月に
なんなんとしている。そして、その二か月のあいだに、三人の男があいついで殺されてい
るにもかかわらず、いまだに事件は五里霧中なのである。
犯人はすぐそばにいる。自分たちの眼のまえにぶらさがってる。――そんな気をつよく
しながら、それでいて、なにかしら眼のなかに|埃《ほこり》があって、ハッキリとその
正体を見きわめることのできぬもどかしさ――金田一耕助は日いちにちと深まさっていく
焦燥に、ちかごろ、すっかり落ち着きをうしない、胸をかきむしられるようないらだたし
さを感じはじめていた。
せめて、もう一度事件を最初から見直していったらそこからなにか手掛かりが発見でき
るかもしれないと思って、耕助はちかごろいくたびか自分の日記をくりかえし、そのなか
から重要事項を書き抜いてみたりするのだけれど、そこからくみとることのできるのは、
すでに世間に知れわたっている事実ばかりで、それらの煙幕の背後に|揺《よう》|曳《え
い》している神秘の影がいまひと息というところで、つかめないのである。金田一耕助は
いくど、頭の上の雀の巣をかきまわしながら、おのれの|腑《ふ》|甲《が》|斐《い》
なさをなげいたことであろう。
そのとき、金田一耕助の書き抜いた重要事項というのを、つぎにかかげておくことにし
よう。金田一耕助にはまだ全部は看破できていなかったのだけれど、この箇条書きのなか
にこそ、あの恐ろしい犬神家の殺人事件の真相を語るなぞが秘められていたのだから。
[#ここから1字下げ]
一、十月十八日、――若林豊一郎の招きに応じて、金田一耕助那須市へ来る。同日珠世、
ボートの奇禍にあい、若林豊一郎毒殺さる。
二、十一月一日、――仮面をかぶった佐清復員し、犬神家の一族のまえにて、佐兵衛翁の
遺言状発表さる。
三、十一月十五日、――佐武と佐智、仮面の正体に疑惑をいだき、那須神社へ佐清の奉納
手型をとりにいく。(このこと、珠世の入れ知恵なり)
四、同日夜、――松子夫人と佐清、手型をおすことをこばみ、十時ごろ物別れとなる。
五、同日夜十一時ごろ、――珠世、佐武を展望台に呼び出し、仮面の佐清の指紋のある懐
中時計をわたす。(この時計いまだに行方不明、あるいは湖底に沈みたるか)
六、同日夜、――佐武殺害さる。犯行の時刻は十一時から十二時までのあいだと推定さる。
七、同日夜八時ごろ、――山田三平と名乗る復員風の男、顔をかくして下那須の柏屋へ投
宿、十時ごろ、宿を出ていずれかへ行き、十二時ごろかえる。宿へかえりしときひどく|
狼《ろう》|狽《ばい》の|体《てい》なりしと。
八、十一月十六日朝、――佐武の生首、菊人形の場面より発見され、犯行の現場は展望台
と判明。
九、同日、――松子夫人と仮面の佐清、みずから申し出でて、佐清、手型をおす。この手
型と那須神社より持ちかえりし手型を比較研究の結果、同一のものと判明、したがって仮
面の佐清は真実の佐清にちがいなきこと確定。(疑問、――このとき、珠世、二度までなに
かを発言しかけてよす。彼女はなにをいわんとしたか)
一〇、同日、――湖心より佐武の首無し死体あがる。
一一、同日、――佐武の死体を運びしとおぼしき血まみれボート、下那須の湖畔より発見
さる。
一二、同日朝五時ごろ、――山田三平を名乗る復員風の男、柏屋を立ち去る。かれはつい
に|何《なん》|人《ぴと》にも顔を見せざりし由。
一三、同日夜、――佐武のお通夜、十時ごろお開きとなる。
一四、同日夜、――珠世の部屋に顔をかくした復員風の男がしのびこみ、何物かをさがす。
(疑問、かれはなにをさがしたのか、そして、目的のものを得たか否か)
一五、同日夜十時半ごろ、――復員風の男の姿を見つけて珠世悲鳴をあぐ。この悲鳴によ
りて、犬神家は大騒ぎとなる。
一六、同日夜同刻ごろ、――復員風の男と、猿蔵と格闘しているところを小夜子が目撃す。
(したがって、復員風の男は猿蔵にあらずということになる)
一七、同日同刻、――珠世の悲鳴をきいてとび出した仮面の佐清、展望台の下にて何者か
に?ッパーカットをくらい、気を失って倒れる。(仮面とれて、醜怪なる顔を衆人のもとに
露出せり)
一八、十一月二十五日、――佐智、珠世をおかさんとして、麻酔薬をかがせ、モーターボ
ートにて豊畑村の空き家へつれこむ。(ただし、以上は珠世の話による)
一九、同日四時ごろ、――何人からか、猿蔵のもとへ電話がかかり、珠世が豊畑村の空き
家にいることを知らせてくる。猿蔵、ただちにボートにて、豊畑村にかけつけるに、珠世
はベッドの上に|昏《こん》|睡《すい》、彼女の胸の上に、「影の人」と署名のある文書
あり、かたわらの|椅《い》|子《す》には佐智が半裸姿にて縛られ、猿ぐつわをかまさ
れおりし由。猿蔵は佐智をそのままにして、珠世のみつれて、モーターボートにてかえる、
四時半から五時半ごろまでの間なり。(ただし、以上は猿蔵の話による)
二〇、同日夜八時から九時までの間に、佐智、絞殺される。その時刻における犬神家の一
族の?リバ?はすべて立証さる。すなわち、かれらのうちの何人も、その時刻に犬神家を
出たる形跡なし。
二一、十一月二十六日、――珠世と猿蔵の話により、佐智を救いに豊畑村へかけつけし一
行は、半裸姿にて椅子にしばりつけられし佐智が、絞殺されているのを発見、佐智の首に
は、くいいらんばかりに琴の糸巻きつきいたり。(疑問、佐智の肌にいちめんに荒縄による
かすり傷あるにもかかわらず、縄目が小ゆるぎもせぬほど固かったのはなぜか。ダ?ヤを
ちりばめた、佐智のワ?シャツのボタンのひとつはいずこに)
二二、同日、――小夜子発狂。
二三、同日、――豊畑村へかけつけし一行は、そこに復員風の男が潜伏しおりしにあらず
やと思わるる|痕《こん》|跡《せき》を種々発見す。
二四、同日、――松子夫人、|斧《よき》、琴、菊に関して青沼菊乃なる女性の|呪《のろ》
いを打ち明ける。
二五、同日、――珠世の素姓に関する、驚くべき秘密を発表す。
[#ここで字下げ終わり]
ほんとうをいうと、金田一耕助の抜き書きは、もっと詳細にわたっているのだけれど、
それではあまりわずらわしいし、また、箇条書きだけでは意をつくさぬ事項もあり、それ
らはあとでもっとゆっくり語るために、ここでは耕助の書き抜きのうちの、肝要な部分だ
けを書きぬいておくにとどめた。
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