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影男-有毒的巧克力(2)

时间: 2022-02-16    进入日语论坛
核心提示:「でも、速水さんて人、よくわからないわね。わたしたちを助けてはくれたけれど、やっぱり悪人にはちがいないわ。良斎をゆすって
(单词翻译:双击或拖选)

「でも、速水さんて人、よくわからないわね。わたしたちを助けてはくれたけれど、やっぱり悪人にはちがいないわ。良斎をゆすって、お金を取るために助けたようなもんだわ」
「そうだよ。ぼくもなんだか安心ができないような気がする。このチョコレートは、ほんとうは警察に届けたほうがいいんだがね」
「でも、そんなことしちゃ、速水さんが迷惑するでしょう。困ったわね。いのちを助けてくれた人が、まともな世渡りをしていないなんて」
「それに、ぼくたちのほうにも弱みがあるんだしね」
「あたし、このあいだから考えていることがあるのよ」
 美与子の目に、妙な輝きが加わったので、昌吉は、不思議そうに、その顔を見つめた。
明智(あけち)小五郎っていう私立探偵知ってるでしょう? あの人ならば、警察じゃないんだから……」
「相談してみるというの?」
「ええ、このチョコレートも、あの人のところへ持っていって、分析してもらえばいいと思うわ」
「ぼくが行ってみようか」
「そうしてくださる? でも、尾行される心配があるわ。よほど注意しないと」
「タクシーをいくつも乗りかえるんだよ。逆の方角へ行って、別の車に乗って、また別の方角へ行くというふうに、何度も乗りかえて、尾行をまけばいい」
「そうね。じゃ、あなた行ってくれる?」
 相談がまとまったので、美与子は下へ降りていって、電話帳で明智探偵事務所を捜して、電話をかけた。すると、明智はさいわい在宅で、待っているからという返事だった。昌吉はチョコレートの箱を新聞紙に包んで、出かけていった。
 二時間ほどして帰ってきた。もう夜になっていた。
「だいじょうぶ?」
 美与子が心配そうに、かれの顔を見上げて尋ねた。
「尾行のことかい?」
「ええ」
「タクシーを乗りかえるたびに、じゅうぶんあたりを見まわして、ほかに車のいないことを確かめたから、絶対にその心配はないと思う。だが、タクシー代はずいぶんかかったよ」
 昌吉はそこにすわって、タバコをつけた。
「あのチョコレートには、やっぱり青酸化合物がはいっていた。明智さんが簡単な反応試験をやってくれた」
「まあ、やっぱり……」
「きみが注意してくれたので、いのち拾いをしたよ」
 だが、美与子には、いのち拾いをしたということよりも、今後の恐怖のほうが大きかった。
「で、明智さんは、なんておっしゃるの?」
「アパートを変わるのもわるくはないが、相手に見つからないように変わるのは、ちょっとむずかしいだろうというんだ。明智さんは速水さんのことも知ってたよ。あれは不思議な男だといってた。なんだか速水さんのことを、まえから調べてるらしいんだよ。あの人は、やっぱり相当悪いことをしているんだね。それからね、明智さんは、毒チョコレートを送ったり、ぼくに自動車をぶっつけようとしたのは、川波良斎自身じゃない。第三者が介在しているというんだよ。その第三者というのが、なんだか恐ろしいやつらしい。明智さんは、そいつに非常に興味を持っているように見えた」
「良斎がその男に頼んだのね」
「うん。明智さんはそうらしいというんだ。なにかいろいろ知っている様子だが、ぼくにははっきりしたことはいわなかった」
「で、あたしたちはどうすればいいの?」
「なるべく外出しないようにしていろっていうんだ。速水さんがアパートをかわれというなら、かわってもいいが、引っ越しのときは、じゅうぶん気をつけるようにというんだ」
「それで?」
「どういう方法か知らないが、明智さんがぼくらを守ってくれるというんだ。報酬なんかいらない。速水という男も、良斎が頼んだもうひとりの男も、非常に興味のある人物だから、進んで調べてみるというんだよ」
「それだけでだいじょうぶかしら?」
「ぼくが不安な顔をしているとね、明智さんは、絶えずあなたがたの身辺を見守っているから、わたしに任せておけばいい。少しも心配することはないと、請け合ってくれた」
 ふたりはいちおうそれで満足しておくほかはなかった。警察に届けられないとすれば、これ以上の方法は考えられないからだ。
 だが、そういううちにも、悪魔の触手はすでにしてこの可憐(かれん)なる恋人たちの身辺に迫っていたのである。

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