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赤いトンガリ帽

时间: 2023-09-15    进入日语论坛
核心提示:赤いトンガリ帽そのあくる朝六時ごろのことです。隅田川と東京港のさかいめのあたり、造船工場などのある川岸に、ふしぎなことが
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赤いトンガリ帽


そのあくる朝六時ごろのことです。隅田川と東京港のさかいめのあたり、造船工場などのある川岸に、ふしぎなことがおこっていました。
川岸の道路には、人が落ちないように、コンクリートの低いてすりのようなものが、ずっとつづき、ところどころ、それがきれて、船から荷物をあげるための広い坂道が、水面の近くまでくだっています。
まだはやいので、川岸には人どおりもなく、工場でも仕事をはじめておりません。そのさびしい川岸の道を、ふたりの労働者が、なにか話しながら歩いてきました。
ひとりは五十ぐらいの、ひょろひょろと、背の高いおとなしそうな男、もうひとりは、背が低くて、まるまると太ったおどけた顔の男です。ながさんとまるさんです。丸さんの顔は、ゴムまりのようにまんまるで、目もまんまるですし、鼻までひらべったくて、丸いのです。くちびるのあつい、大きな口です。
「おや、へんなものが、流れているぜ。」
丸さんが立ちどまって、川岸のそばの水面を見ながら、小首をかしげました。
「うん、へんだね。こんなところに、ブイが、流れてくるなんて。」
長さんも、ふしぎそうな顔をしました。
それは、赤くぬった大きな鉄のつつのようなもので、水面から上にでている部分は、上の方がじょうご形にせまくなっているので、道化師どうけしのまっかなトンガリ帽を、うんと大きくしたような形なのです。中はからっぽで、空気がはいっていて、その力で、ぶかぶか浮いているのです。
このブイは船の航路のめじるしになるように、沖のほうに浮かべてあるのですが、そのくさりがきれて、隅田川の入口まで流れてきたのでしょうか。
「へんだね。べつに、あらしがあったわけでもないのに、こんなところに、ブイがあるなんて。」
「うん、それもそうだがね。もっと、おかしいことがあるよ。このブイは、いやに動くね。まるで生きているようだ。」
丸さんが、目をまんまるにして、ふしぎでたまらないという顔をしました。
まるほど、そういえば、巨大な赤いトンガリ帽は、波もないのに、異様にぐらぐらゆれています。トンガリ帽が、右にかたむいたかと思うと、すぐにまた、左にかたむき、それを、いつまでも、くりかえしているのです。道化師が、首をふっているみたいです。
このふしぎなブイは、どうしてこんなところに、浮いていたのでしょう。
なぜ、首ふり人形のように、ゆれていたのでしょう。それには、じつに恐ろしいわけがあったのです。それが、どんなわけだったか、みなさんひとつ、考えてみてください。
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