日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 星新一 » 正文

宇宙の声(11)

时间: 2018-01-06    进入日语论坛
核心提示:作戦開始「いったい、名案て、どんなことだい。これだけ考えて、まだみつからないんだよ」 と、みなは驚いたような声で、いっせ
(单词翻译:双击或拖选)
作戦開始
 
 
「いったい、名案て、どんなことだい。これだけ考えて、まだみつからないんだよ」
 と、みなは驚いたような声で、いっせいに聞いた。プーボはもったいぶって答えた。
「つまりです、虫を働かせて、あとに面倒な問題を残さないようにすればいいわけでしょう」
「そうだよ、それを知りたいんだ。早く教えてくれよ」
「こうすればどうでしょう。虫の|雄《おす》だけを選びだして、それを使うのです。雄は卵を産みません。だから、しばらくすると寿命がつきて死んでしまいます」
「ほんとだ……」
 ミノルもハルコも感心した。こんなことになぜ気がつかなかったのだろうと、ちょっとくやしかった。キダはうなずきながら言った。
「うん、たしかにいい方法だ。しかし、それにはここで虫をふやし、雄だけを選んで運ぶという仕事をしなければならない。その時間が残されているかどうかだ……」
「基地へ連絡してみます」
 と、デギが言い、オロ星の月の基地と、無電で話し、いまの考えを報告した。
 返事はこうだった。ぜひその作戦を進めたい。基地で手のすいている人員や、あまっている資材は、すべてそちらに送る。全力をあげてその計画にとりくむように。
 怪植物の種子は、宇宙をめざして飛び出そうとしつづけているが、あとしばらくは、なんとか食いとめることができるだろうとのことだった。
 基地からの返事につづき、何台もの宇宙船が、砂の星へ到着した。力を合わせ、大急ぎで虫をふやそうというのだ。
 ふやすのは簡単だった。植物性のものを与えさえすればいい。虫たちはそれを食べながら、どんどんふえてゆく。
 この星のむかしの住民たちは、なんとかして虫をへらそうと苦心し、それができずにほろんでいった。しかし、いまはその反対のことをやっているのだ。そう考えると、なんだか、妙な気分だった。
 虫は、たちまち数えきれぬほどになり、重なりあってあたりをはいまわっている。それをながめて、ハルコはミノルに言った。
「かわいいところがなく、美しい声も出さず、気持ちが悪いわね」
「だけど、そんなことを気にしている場合じゃないよ」
 面倒なのは、雄を選ぶ仕事だった。たとえ一匹でも、|雌《めす》がまざっていてはいけないのだ。雌がまぎれこんだら、オロ星は永久に、ここと同じく砂だけの星になってしまう。
 しかし、そのうちに、昆虫学者と機械技師との協力で、雄と雌とをよりわける装置が作られた。おかげで、そのスピードは早くなった。
 えさのつづくかぎり虫をふやそうと、みなは、その作業に熱中した。
 いっぽう、オロ星の月の基地では、別な用意が進められていた。虫が怪植物に勝ってくれた場合でも、オロ星の地上は一回は丸坊主になってしまう。すべての植物が、食べつくされるおそれがあるのだ。
 あとでまた植物をふやすために、種子を集めて、とっておかなくてはならない。また役に立つ動物や虫も、安全なところで冬眠させておかなくてはならない。
 人びとはまだ怪植物にやられていない地方に着陸し、その作業を進めた。なかには、こんなことを話し合っていた者もあった。
「地球人のキダから聞いたのだが、地球にはノアの箱船という伝説があるそうだ。大水で世界がめちゃめちゃになるが、船に乗せておいた動物たちが生き残り、人間とともに、ふたたび新しい時代が栄えたという物語だよ」
「いまの仕事もそれと似ているな。害虫だの雑草は、ちょうどいいから、ほっぽっとくとするかな」
 実行の時は迫ってきた。
 砂の星では、虫がずいぶんふえた。もっとふやしたいのだが、ぐずぐずしてはいられない。宇宙へ飛び出そうとする怪植物の種子が、さらに数をましたのだ。もう、これ以上は待てなくなった。
 雄の虫だけを積みこんだ宇宙船が、つぎつぎと出発した。これが成功するかどうかにオロ星の運命がかかっているのだ。いや、宇宙の運命がかかっているともいえる。
 先頭の宇宙船には、キダやミノルたちが乗っていた。やりそこなったら、いずれは地球も怪植物にやられるのかと思うと、心配で落ちつかなかった。
 宇宙船はオロ星の陸の上を低く飛び、虫をばらまいた。虫は大粒の雨のように散り、勢いよく植物に飛びつき、手あたりしだいに食べはじめた。なにも残らない、砂だけの地面がふえてゆく。
 虫のなかには、問題の怪植物に飛びついたのもあるはずだ。さあ、どうなるだろう。
 キダやミノル、ハルコ、プーボは宇宙船からヘリコプターに乗りかえ、それを調べるために、地上へさらに近づいた。
 なかから望遠鏡で見つめた。だが、怪植物は、ほかの草や木のように、あっさりとは食べられてしまわない。
 虫のほうも手ごわい相手だと気がついたようだ。なかまと連絡しあったらしく、どの虫も怪植物めがけて集まった。この強敵をやっつけておかないと、あとがうるさいと感じたのだろう。
 月の基地からは、いらいらしたような声で、ヘリコプターに無電で聞いてきた。
「どうだ、ようすは……」
「まだわかりません。なにしろ、いままで無敵だった植物と、どんな植物も食べつくしてきた虫との戦いなのですから」
「虫は勝ちそうか」
「虫は力を合わせて、怪植物にむかっています。植物も苦しいようです。タネを作って宇宙へ投げ上げるどころではないようです……」
 キダはいちいち報告した。月の基地では、だれもが成功を祈りながら聞いていることだろう。基地からは、また質問してきた。
「飛び出してくるタネは、めっきり少なくなった。地上ではうまくいっているのか」
「いや、なんともいえません。植物のほうは、虫を退治しようと、ネバネバした液を出しはじめました。それがくっつくと、虫の動きが弱まるようです」
「はっきりいって、どうなりそうだ」
「わかりません。虫のほうも、同じように液体を口から出しています。植物の液の作用を、やわらげるためのようです。しかし、正直なところ、虫のほうが、少し押されぎみのように見えますね……」
「それは困ったな」
 月の基地ではがっかりしたらしく、ため息のまざった声が伝わってきた。ミノルたちもそうだった。もし、この作戦が失敗に終ったら……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: