いちばん手っ取り早いのは、何といっても名文を書き写すことでしょう。数学や物理などは答えに至る過程が論理的に明確ですが、文章の表現にはそういう根拠がありません。頭の中で「分かる」のとはちょっと違いますから、見よう見まねによってよい文章のコツをつかむほかありません。
たとえば、「天声人語」「編集手帳」などの新聞コラムは格好のお手本だと思います。新聞コラムは、かなり短い文章ではありますが、見かけによらず内容が豊富で、主張も明確で、それがよく伝わりやすいものとなっています。小論文の基本形ともいえますから、文章の訓練のお手本にはうってつけです。