政府は環境保護活動を重視
近年、中央から環境保護省まですべて政府が環境保護、資源の循環利用、省エネ排出削減に対する強い関心を示している。経済の転換期において、国家が環境保護を高度に重視している。2012年、中国共産党第18回全国代表大会の活動報告では「美しい中国」というコンセプトを提出し、初めて単独で生態文明を論じ、生態文明の建設を経済建設、政治建設、文化建設、社会建設と並べ、戦略的なレベルまで引き上げた。このほか、最も注目されるPM2.5という言葉が2012年の政府活動報告に盛り込まれ、大気汚染対策を含む環境問題の注目度を引き上げた。
2013年に開かれた全国環境保護活動会議で、国家環境保護省は次のようなことを明らかにした。環境と経済の関係を正しく処理し、法律や市場、技術と必要な行政手段を総合的に利用し、改革の全体案、ロードマップ、スケジュールを制定する。微小粒子物(PM2.5)の汚染対策に取り組む。第1陣74都市でモニタリング情報を発表する基礎の上で、環境保護重点都市と国家環境保護モデル都市でモニタリングを実施する。即時かつ正確にモニタリング情報を発表して、大衆の参与を誘導する。
環境汚染の抑制
近年、国の環境保護に対する関心度が高まり、汚染対策は、1970年代の「三廃」整備と総合利用を重点にするところからスタートし、1980年代に環境管理を深化する環境保護目標責任制や都市環境の総合整備の定量評価制度、廃棄汚染物許可制度、汚染集中管理と期限つき整備などの制度と措置を推進し、1990年代に持続可能な発展戦略を打ち出し、工業汚染対策は末端対策から生産の全過程に対する管理へ、濃度規制から濃度と総量規制の結合へ、分散型対策から分散と集中が結びつく方法へ、という三つの転換を実施し、大規模な重点都市、流域、海域に対する汚染対策及び生態建設と保護プロジェクトを展開した。近年、国家が環境汚染対策をより重視して、クリーン生産を推進し、循環型経済を発展させるなどに絶えず力を入れてきた。工業の「三廃」対策で成果を収め、主要汚染物の排出総量が抑制され、都市環境の整備力が絶えず強化された。
生態環境の保護と建設が強化される
中国は生態環境の保護と改善に一連の措置を講じ、国務院が『全国生態環境整備計画』と『全国自然保護区発展計画』を許可し、『全国生態環境保護要綱』を批准した。全面的に「保護を優先にし、予防を主とする」方針を固め、生態環境破壊が発生する異なる地域、原因、特徴に従い、生態環境保護戦略を推進した。
中国は植樹造林、土壌保全、草原整備と国土整理など重点生態プロジェクトを推進してきた。森林、湿地、荒漠生態システムの整備及び生物多様性保護を強化し、六大林業プロジェクトの整備を実施し、多くの自然保護区、生態モデル区、風景名勝区と森林公園を設立した。国は『中国21世紀議程〜中国21世紀人口、環境と発展白書』を制定し、国民経済と社会発展において、科学教育による国の振興と持続可能な発展の戦略を明確にした。
環境の法制化が進展している
1979年、『中華人民共和国環境保護法(試行)』の公布をきっかけに、わが国の環境保護分野の立法が全面的に展開された。その後、国は『土地管理法』、『鉱産物資源管理法』、『洪水防止法』、『気象法』、『大気汚染防止法』、『水汚染防止法』など法律法規を相次いで公布するとともに、社会の発展に伴い、一部法律に対して修正を行った。
2002年、中国初の循環型経済に関する法律――『クリーン生産促進法』が誕生した。これは環境汚染対策が末端処理から全過程管理へと転換したことを物語った。2009年1月1日に施行した『循環型経済促進法』は循環型経済を促進する制度が規定された。
2012年末現在、中国には環境保護関連の法律法規が30部以上ある。これら法律法規は環境保護法規体系の整備、資源環境破壊活動への制限、汚染対策プロセスの加速に重要な役割を果たした。
環境への投資の増加
新世紀に入ってから、中国の環境保護に対する投入が明らかに増えた。環境保護への資金投入のGDPに占める割合は2000年の1.12%から2010年の1.95%まで増やされた。全体的に見れば、汚染管理に必要な投入の下限に満ちた。データによると、中央と地域財政の環境保護支出が毎年増え、2000年の654億元から2010年の1443億元まで増やされた。2012年、中央財政の省エネ環境保護支出は1998.43億元に達した。
国民の環境意識が高まる
中国の大衆が環境問題をより重視し、環境保護意識がさらに強まり、自覚的に環境保護活動に参加する人の数が数年前と比べ大幅に増えた。国が提唱した省エネ排出削減、エコ消費、プラスチックの袋の使用規制などの環境保護理念に対して、社会各界が呼応し、積極的に参与して、環境保護の理念が広がっている。
国は大衆の環境保護活動参加を推進している。「6・5世界環境デー」、「アースデー」などのイベントを通じて、エコ消費を提唱し、国民の環境意識を高めた。「エコ中国年度人物」を選ぶことで、大衆の力を掘り起こした。このほか、政府が新聞やウェブサイト、テレビなどマスコミの報道を通じて、環境情報をより公開して、即時に環境活動の状況と動向を通報し、不法行為を公開するとともに、政府管理の透明度を増やし、社会の監督を受け、大衆の情報を知る権利を守った。
わが国の環境保護における実践の発展に伴い、人々が環境問題に対する認識が深まれ、注目することが絶えず拡大している。