はじめに
京都・丹後半島には、「間人」と書いてなぜか「たいざ」と読む、あの聖徳太子にゆかりのある場所があり、四国・徳島には、「十八女」と書いて「さかり」という読み方をする、ある姫君にまつわるなんとも〝意味深〟な地名が存在する。さらに、人気少年マンガでもおなじみ、東京・葛飾区の「亀有」は、その昔、なんと「亀無」と呼ばれていたのだという――。
これらは、本書で紹介している地名のうちの、ほんの一部にすぎないのだが、地名の場合、土地柄や自然、歴史などにちなんで名付けられたものが多い。
ただ、それらのなかには、私たちの常識を超える、じつに不可解なものもあり、単なる由来話では済まされないような、意外なエピソードをもつ場合も少なくない。
本書では、日本各地の地名にまつわる由来や命名の謎の数々を、二〇〇余りにわたって紹介していく。あなたがこれまで接してきた地名のいわれが「自分の予想外だった!」という知的興奮を、一つでも多く味わっていただければ幸いである。
日本博学倶楽部