第二節 森林資源
日本では、森林の面積が一番広く、全国土面積の約三分の二を占めている。気候が温暖で、雨が多いので、木材の生育に適しており、世界でも指折りの森林国である。また国土が南北に長いため、杉、ひのき、松などの針葉樹から、なら、ぶな、くぬぎなどの広葉樹まで木の種類が多く、日本の山地には約22億m3におよぶ木材資源がある。中でも木曽(長野県)のひのき、吉野(奈良県)、秋田、天竜(長野県)の杉、青森のひばなどは美林として有名である。また、北海道の蝦夷松、椴松はパルプ材として有名である。
日本の森林はその所有者の違いによって、国有林、公有林、私有林に分けることができる。杉やひのきなどの美林やパルプ材を産出する大森林などは、国有林やパルプ会社、大山林地主の私有林になっている所が多い。こういうところでは伐採や運搬の機械化も進んでいる。しかし、私有林所有者の多くは1ヘクタール未満の小山林所有者である。近年、森林の面積は年々減っていたため、人工林を増やすことを重視している。