「な、なんて言ったの」言葉がつっかえた。「僕、だって、戻らなきゃ。――九月一日に新学期が始まるんだ。それがなきゃ僕、耐たえられないよ。ここがどんなとこか、君は知らないんだ。ここには身の置き場がないんだ。僕の居い場ば所しょは君と同じ世界――ホグワーツなんだ」
「いえ、いえ、いえ」
ドビーがキーキー声をたてた。あんまり激はげしく頭を横に振ふったので、耳がパタパタいった。
「ハリー・ポッターは安全な場所にいないといけません。あなた様は偉い大だいな人、やさしい人。失うわけには参まいりません。ハリー・ポッターがホグワーツに戻もどれば、死ぬほど危き険けんでございます」
「どうして」ハリーは驚おどろいて尋たずねた。
ドビーは突とつ然ぜん全身をわなわな震ふるわせながら囁ささやくように言った。
「罠わなです、ハリー・ポッター。今学期、ホグワーツ魔ま法ほう魔ま術じゅつ学がっ校こうで世にも恐ろしいことが起こるよう仕し掛かけられた罠でございます。ドビーめは、そのことを何ヵ月も前から知っておりました。ハリー・ポッターは危険に身を曝さらしてはなりません。ハリー・ポッターはあまりにも大切なお方です」
「世にも恐ろしいことって」ハリーは聞き返した。「誰がそんな罠を」
ドビーは喉のどを絞しめられたような奇き妙みょうな声をあげ、狂ったように壁かべにバンバン頭を打ちつけた。
「わかったから」ハリーは妖よう精せいの腕うでをつかんで引き戻しながら叫さけんだ。
「言えないんだね。わかったよ。でも君はどうして僕に知らせてくれるの」
ハリーは急に嫌いやな予よ感かんがした。
“什一什么?”哈利大吃一惊,“可我必须回去—— 九月一号开学,这是我生活的希望。你不知道我在这里过的是什么日子。我不属于这儿。我属于你们的世界—— 属于霍格沃茨。”
“不,不,不,”多比尖声说,用力摇着头,把耳朵甩得啪哒啪哒直响,“哈利波特必须待在安全的地方。他这么伟大,这么仁慈,我们不能失去他。如果哈利波特回到霍格沃茨,他将会有生命危险。”
“为什么?”哈利惊讶地问。
“有一个阴谋,哈利波特。今年霍格沃茨魔法学校会有最恐怖的事情发生。”多比压低声音说,突然浑身发抖,“多比知道这件事已经有几个月了,先生。哈利波特不能去冒险。他太重要了,先生!”“什么恐怖的事情?”哈利马上问,“是谁在策划?”多比滑稽地发出一声哽咽,然后疯狂地把脑袋往墙上撞。
“好了!”哈利叫起来,抓住小精灵的胳膊,不让他去撞墙。“我知道你不能说。可你为什么要来警告我呢?”突然一个不愉快的念头在他脑海中一闪。