難波潟(なにはがた) みじかき芦(あし)のふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや
伊 勢
【歌意】 難波潟に生えている芦の短い節と節の間のように?わずかな時間でさえあなたに逢うこともできずに、この世を過ごせというのですか。
【作者】 (いせ) 877?~938?年 伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕える。『伊勢集』もある古今集時代の代表的女流歌人。
【説明】 「難波潟」は大阪湾の一部。「ふしのま」は「節と節の間」と「短い時間」の掛詞?「世」は「節と節の間」「世の中」「男女の仲」にかかる掛詞。わずかな逢瀬も許されない恋への絶望感を詠んだ歌。