風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける
従ニ位家隆
【歌意】 風がナラの木にそよいでいる。ならの小川の夕暮れはもう秋の気配だが、川で行われているみそぎの行事は?まだ夏であることを示している。
【作者】 (じゅにいいえたか) 1158~1237年 藤原家隆。『新古今集』撰者の一人。
【説明】 「なら」は「楢」と「ならの小川」の掛詞。前関白?藤原道家の娘が後堀河天皇のもとに入内した時の、年中行事の屏風歌として詠まれた歌。入内の際には、こうした屏風を調えるのがならわしだった。