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夜光人-双雄

时间: 2022-01-10    进入日语论坛
核心提示:巨人と怪人 上山さんに化けた四十面相は、おとし穴のそばに立って、それを見ながら、ゲラゲラ笑っていました。いつも仕事のじゃ
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巨人と怪人


 上山さんに化けた四十面相は、おとし穴のそばに立って、それを見ながら、ゲラゲラ笑っていました。いつも仕事のじゃまをする小林少年やポケット小僧が、苦しんでいるのを見て、よろこんでいるのです。
 あとになって、わかったのですが、この洞窟は、上山さんのまえに、ここに住んでいた人が、防空壕(ぼうくうごう)としてほらせたものでした。庭の古井戸を利用したふうがわりな防空壕でした。
 しかし、戦争がすんで年がたったので、防空壕のことなんか、みんながわすれてしまっていました。上山さんも、そんなところに防空壕があるなんて、すこしも知らなかったのです。
 この古い防空壕をみつけたのは、怪人四十面相でした。四十面相は、ここをつかって、みんなをアッといわせてやろうと考えました。そして、防空壕の中へ、いろいろなしかけをつくって、いざというときに、つかえるようにしておいたのです。
 四十面相は小林少年たちが苦しんでいるのを、たのしそうにながめていましたが、そのとき、あの夜光人間の首が、四十面相のうしろから、スーッと近づいてきました。れいの黒いシャツを着ているので、からだは、すこしも見えないのです。
「かしら、もう、助けてやりましょうよ。でないと、あいつら、死んでしまいますぜ。」
 夜光の首が、四十面相にささやきました。
「うん、そうだ。おれもあいつらをころす気はないのだ。おれは人ごろしはしないのだ。もうずいぶん苦しんだから、このくらいでいいだろう。おまえ、助けてやりな。」
 夜光怪人に化けている四十面相の部下は、どこからか一本の縄をもってきて、それを、おとし穴の中へたらして、ポケット小僧、小林少年、上山さんのじゅんで、そとへ助けだしました。みんなからだじゅうどろまみれです。
「アハハハハ……、小林、ポケット小僧、すこしはこたえたか。これがおれの復讐だよ。だが、きみたちは、まだかえさない。きみたちを、ここにとらえておけば、いまに明智探偵がやってくる。おれはそれを待っているのだ。うらみかさなる明智のやつを、うんと、こらしめてやらなければ、気がすまないのだ。」
 暗やみの洞窟の中に、四十面相の声が、いんにこもってひびきました。
 すると、そのとき、どこからか、まったくちがった、みょうな声が聞こえてきたではありませんか。
「その明智探偵は、もう、ここへきているかもしれないぜ。」
「エッ、なんだって? もういちどいってみろ。明智探偵がどうしたというのだ。」
 四十面相が、びっくりしたように、聞きかえしました。
「ここへきているというのさ。」
 宙にういている夜光の首の、火のようにもえる口が、パクパクと動いていました。しゃべっているのは、夜光の首なのです。
 四十面相は、それに気がつくと、ギョッとして、タジタジと、あとずさりをしました。
「なんだ、おまえは、おれの部下じゃないか。なにをいってるんだッ。」
「きみの部下は、あそこにいるよ。」
 夜光の首の下についてる、黒シャツと黒い手ぶくろにおおわれた手が、懐中電灯をつけて、洞窟のすみを照らしました。
「アッ。」そこの地面に、黒シャツをきた男が、手足をしばられて、ころがっているではありませんか。
「頭から黒い覆面をかぶせておいたから、夜光の顔は見えないけれど、あれがきみの部下だよ。さるぐつわがはめてあるので、声をだすこともできないのだ。きみが、おとし穴の三人が苦しんでいるのを見ているあいだに、ぼくは、夜光人間に化けて、ここへはいってきたのだ。そして、きみの部下をしばりあげて、部下のかわりをつとめたというわけだよ。」
「それじゃあ。きさま、明智小五郎だな。」
「そのとおり。」
「どうして、ここがわかった?」
「きみが古井戸のそとへのこしておいた上山一郎君と書生さんが、電話で知らせてくれたのさ。しかし、それまでのことは、小林君から、たびたび電話がかかっているので、すっかりわかっていた。上山さんからよばれたとき、ぼくがうちにいないといったのは、うそなんだよ。ぼくは夜光人間に化ける用意をととのえて、事務所で待っていたのだ。
 顔に夜光塗料をぬって、豆電球のついた大きな赤ガラスのめがねをはめ、口の中にも豆電球をふくめば、たちまち、夜光の首ができあがるんだからね。わけはないのだ。そして、ふいをついて、きさまをつかまえるために、じっと時のくるのを待っていたのだよ。」
 四十面相の右手にもっている懐中電灯がパッとつきました。そして、そのまるい光が、夜光の首を照らしたのです。
 夜光怪人に化けた明智の懐中電灯も、四十面相の顔を、正面から照らしました。
 そして、ふたりは、ものもいわないで、しばらくのあいだ、にらみあっていました。
 明智探偵は全身まっ黒で、首だけが銀色に光る夜光怪人に化け、四十面相はシャツとズボン下だけになった上山さんに化けているのです。巨人と怪人は、地底の洞窟の中で、その異様なすがたで、ふしぎなにらみあいをつづけるのでした。
 二分間ほども、身動きもしないで、にらみあっていたあとで、はじめに口をきいたのは、四十面相です。
「で、きみは、おれをつかまえるというのか。」
「もちろんだ。きみはもう、つかまっているのだよ。」
「エッ、つかまっている? だれに?」
「あれをみたまえ。」
 明智の懐中電灯が、サッと動いて、洞窟の入口のほうを照らしました。
 そこには、制服すがたいかめしい警官が五人、肩をくっつけるようにして、ならんでいたではありませんか。
「アッ!」
 四十面相は、おもわず、おどろきの声をたてて、そのまま、洞窟の奥のほうへ逃げだしました。
「追っかけるんだ。みんなで追っかけてください。そして、あいつを、ひっくくってください。」
 明智探偵の声が、闇の中にひびきわたりました。
 五人の警官は、みな懐中電灯を持っていました。それが、パッと、いちどについたのです。そして、その光が、逃げる四十面相のあとを追いました。
「ワハハハハ……。」
 四十面相の笑い声が、ものすごく洞窟にこだましました。かれは、逃げながら、きちがいのように笑っているのです。
 なぜそんなに笑うのでしょう。四十面相のことですから、なにか恐ろしいおくの手が用意してあるのではないでしょうか。

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