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宇宙怪人- 奇怪的黑人男子

时间: 2021-10-01    进入日语论坛
核心提示:ふしぎな黒んぼう このさわぎがあった二日ほどのち、明智探偵事務所へ、虎井(とらい)工学博士から、電話が、かかってきました。
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ふしぎな黒んぼう


 このさわぎがあった二日ほどのち、明智探偵事務所へ、虎井(とらい)工学博士から、電話が、かかってきました。
 虎井博士というのは、有名な民間の老科学者で、発明の天才と言われている人でした。まるでエジソンのように、あらゆる方面にわたって、人をおどろかすおそろしい発明をして、何百という特許を持っているのです。
 その電話がかかってきたとき、明智探偵は、宇宙怪人のことで、総理大臣に呼ばれて、出かけていましたので、かわって小林少年が電話口に出ました。
「ウン、おるすかね。大至急の用件じゃが、あんた、だれだね、小林君ではないのかね。」
 虎井博士は、小林君の名を知っていました。この少年助手は、それほど有名なのでした。
「ぼく小林です。どういうご用件でしょうか。」
「宇宙怪人の件じゃ。どうやら、こんどは、わしがあぶなくなった。警察には、保護をたのんでおるが、それだけでは安心がならん。明智さんに来てほしいのじゃ。だが、おるすなら、あんたでもいい。子どもながら、先生におとらぬ名探偵だ。明智さんにも来てほしいが、あんたにも、来てもらいたいのだ。どうじゃね。今すぐ、わしのうちへ来てくださらんかな。」
 小林君は、虎井博士にあったことはないのですが、その屋敷は、よく知っていました。隅田川の川口(かわぐち)にちかい、小さな森にかこまれた、ふしぎな洋館でした。
「ハイ、それでは、先生に電話で、相談してから、まいります。」
「そうか。わしのうちは、ごぞんじだろうな。まってますぞ。」
 小林君は、すぐに首相官邸に電話をかけて、急用があるからと、明智先生を電話口に呼びだしてもらい、虎井博士のことを話しますと、「よろしい。行きたまえ。ぼくもこちらの用件がすみしだい、かけつける。じゅうぶん、注意してね。」という返事でした。
 そこで、小林さんは、明智先生のおくさんにも、そのことを話したうえ、自動車にのって、虎井博士邸にいそぎました。
 隅田川の川口ちかくは、工事の多いところですが、そのあいだに、まるで、切りはなされた別世界のように、こんもりした森があって、その中に、むかしの西洋のお城のまるい塔のような感じの、奇妙な建物がたっていました。
 その建物の入り口に近づいて、大きなドアをノックしますと、中からドアがひらいて、思いもよらずそこに、ひとりの黒んぼうが立っていました。アフリカ土人のように、まっくろな顔の大男です。
 ドアの中は、ひろい板の間になっていて、まっかなジュウタンが、しきつめてあり、おくのほうに、まがりくねった階段の、りっぱな手すりが、見えていました。
 黒んぼうは、はでなしまの背広をきて、まるでサーカスの道化師のようなかっこうで、そこに、つったっているばかりです。
「虎井先生から電話があったので、うかがいました。小林というものです。」
 小林君が言いますと、大男の黒んぼうは、じっと宙を見つめたまま、小林君の顔を、見むきもしないで、両手をぎごちなく、あげたり、さげたりしながら、へんなガラガラ声で答えました。
「ドウゾ、コチラヘ。」
 そして、クルッと、むこうをむくと、コックリコックリ歩きだすのでした。なんだかへんです。これは、生きた人間でなくて、機械のような感じです。
 そのとき、小林君は、ふと、思いだしました。虎井博士は、ロボットを発明して、玄関番につかっているといううわさをきいたことがあるのです。そう思って、見ると、たしかにロボットです。顔は、黒んぼうの人形です。客の顔も見ないで、そっぽをむいて、ものを言ったのも、人形なれば、むりはありません。
 小林君は、人形にむかって、まじめくさって、あいさつしたのかとおもうと、おかしくなってきました。それにしても、虎井博士は、なんというかわりものでしょう。玄関へはいっただけで、こんなにびっくりさせられるのですから、まだまだ、どんなふしぎなしかけが、まちかまえていないともかぎりません。小林君は、少々きみが悪くなってきました。
 黒んぼうは、まっすぐむこうをむいたまま、階段の下を通りすぎて、廊下に出ると、そこにひらいているドアのまえに立ちどまって、クルッとこちらをむき、また両手をあげさげして、
「ココデ、オマチクダサイ。」と言いました。
「ありがとう。きみ、人形なんだね。よくできているね。」
 小林君は、そんなことを言いながら、指で、黒んぼうのほおを、はじいてみました。すると、あんのじょう、コツコツと、かたい音がするのでした。
 黒んぼうは、ニッコリともしないで、つっ立っていましたが、しばらくすると、「これでわたしの用事はすんだ。」といわぬばかりに、またクルッとむきをかえて、コットン、コットン、どこかへ、立ちさってしまいました。
 あとにのこされた小林君は、部屋の中にはいって、あたりを見まわしました。応接間でしょう、りっぱなイスやテーブルのそろった、広い洋室です。
 一方のかべに、一メートル四方もある大きな鏡が、はめこみになって、まわりに、うつくしいがくぶちがついています。小林君は、その鏡のまえに立って、自分のすがたをうつしてみました。
 そうして、まっていても、博士はなかなか出てきません。あたりはシーンとしずまりかえって、なんだか、古い洋館のあきやにいるような感じです。小林君は、ますますきみが悪くなってきました。

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