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宇宙怪人-看不见的潜艇

时间: 2021-10-02    进入日语论坛
核心提示:小型潜航艇 宇宙怪人は、ガラスに顔をくっつけて、しばらく、部屋の中をのぞいていましたが、中の三人は、すがたをかくしている
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小型潜航艇


 宇宙怪人は、ガラスに顔をくっつけて、しばらく、部屋の中をのぞいていましたが、中の三人は、すがたをかくしているので、だれもいないと思ったのか、そのままスーッと、むこうのほうへ、遠ざかっていきました。海の底は暗いので、コンクリートの部屋のそとがわにも、電灯がついているのですが、そのひかりは、遠くまでとどかないので、怪人のすがたは、むこうのやみの中に、たちまち、見えなくなってしまいました。
「とうとうやってきたね。わしは、あいつが、ここへやってくるだろうと、じつは、まちかまえていたんだよ。小林君、きみに、おもしろいものを見せてあげようか。」
 虎井博士は、助手の美少年と顔をみあわせて、ニヤリと笑いました。
「おもしろいものって、なんですか。」
「海の底のとり物だよ。みんなで、宇宙怪人を追っかけるのさ。」
「海の中をですか。」
 小林君はびっくりして、思わず、高い声を出しました。人間は、両生動物でないから、海の底に長くは、いられないと思ったからです。
「ウン、わしは、特殊の潜航艇を発明して、持っているのだ。三人が、それにのりこんで、あいつを、おっかけるのだよ。」
「潜航艇ですって?」
 小林君は、信じられないような、顔をしました。
「乗ってみれば、わかるよ。なかなか、よくできているつもりだ。グズグズしていると、宇宙怪人が逃げてしまう。サア、ふたりとも、わしのあとに、ついてきたまえ。」
 博士が、一方のかべに近づいて、そこにある小さなボタンを押しますと、大金庫の扉のような、丸いかくし戸が、音もなくひらきました。さっき、博士がとびだしてきた、あのかくし戸です。
 博士は、そのまっくらな丸い穴の中へ、はうようにして、はいっていきました。小林君は、なんだかきみが悪いので、ためらっていますと、助手の少年が、
「だいじょうぶだよ。この穴のそとに、潜航艇がとまっているんだよ。」
 と、うしろから、押すようにしました。しかたがないので、小林少年も、穴の中に、もぐりこみましたが、すると、たちまち、なにかで、ゴツンと頭をうちました。
「これが潜航艇の中だよ。いま電気をつけるからね。」
 博士の声がして、パッと、あたりが、明かるくなりました。立って歩けないような、せまい、トンネルのような部屋でした。おまけに、身うごきもできないほど、いろいろな機械が、両がわにとりつけてあります。
「立っては、頭をうつからね。ここにすわっているんだよ。」
 ふたりの少年を、すわらせておいて、博士は、まずコンクリートの部屋の、かくし戸をしめてから、潜航艇の横っぱらにひらいている、丸い穴の鉄のふたを、ピッタリ、しめて、大きなネジをまわし、水がはいらないように、しめつけました。それから、一方の機械のところへいって、なにかやっていたかと思うと、とつぜん、エンジンの音がひびきだし、フワッと、ブランコにでも乗っているような、気持ちになりました。潜航艇がうごきだしたのです。
 エンジンのひびきは、だんだん、たかくなってきました。速力がくわわっているのです。
「ここへきてごらん。ここが運転席で、運転士には、目の前の海のけしきが、よく見えるようになっているんだよ。」
 博士によばれて、そのほうへ、いざりよってみますと、博士の前に、大きな丸いレンズがあって、それに、潜航艇の前の、水の底のありさまが、小さくうつっているのでした。
「この潜航艇には、二つの大きなヘッドライトがついていて、前のほうをてらしている。自動車のヘッドライトの、何倍も強いひかりだよ。そのひかりで、前のけしきが見えるのだ。だが、これは写真のようにレンズにうつっているのだから、小さくしか見えないが、もっとよく見える展望台がある。ホラ、あすこだよ。あの台の上に立って、天井から、頭を出してごらん、あたりがよく見えるから。」
 台といっても、ひくい箱のようなものでした。小林君は、言われるままに、その箱の上に立って、こわごわ、天井の丸い大きな穴の中へ、頭を出してみました。
 それは、直径一メートルほどの、大きな穴で、その穴の上には、丸屋根のように、厚いガラスのふたがあることがわかりました。ここからは、上と四方が、自由に、ながめられるのでした。
 しかし、ヘッドライトのてらしている前のほうだけは、明かるいけれども、横や、うしろは、ひどくうすぐらくて、ハッキリは見えません。
 そこから見ていると、潜航艇が全速力ですすんでいることが、よくわかります。水が、丸いガラスの上を、サーッ、サーッと、うしろへ、ながれていくのです。ときどき、さかなが、銀色のはらを見せてはねとばされるように、うしろへとんでいくのも見えます。
「きみ、すばらしいだろう。これ、ぼくの先生が発明したんだよ。」
 いつのまにか、美少年が、台にのって、小林君と顔をならべていました。
「ウン、ぼく、潜航艇に乗るなんて、生まれてから、はじめてだよ。虎井博士はえらいねえ。」
 小林君は、しんから感心したように、つぶやくのでした。
 サーチライトのようなヘッドライトにてらされた、前のほうのけしきはすてきでした。列をつくっておよいでくる、大きなさかな、小さなさかな、それが潜航艇のひびきにおどろいて、右に、左に、逃げまどうありさまは、メダカのむらがっている池の中を、大きなコイが、かきわけていくような感じです。
「アッ、わかった。ぼく、やっとわかったよ。」
 小林少年が、とんきょうな声をだしました。
「ああ、びっくりした。なにがわかったの?」
「さっき、ガラス窓から見た、クジラの子どものような、大きなさかなの正体が、わかったよ。あのお化けさかなは、この潜航艇だったのさ。そうだろう。二つのヘッドライトが、光った目に見えたんだ。それから、せなかの、すきとおったコブは、この展望ガラスだったのさ。だから、ガラスのコブの中に人間の顔が見えた。あれは、虎井先生の顔にきまっている。だって、先生はあのとき、まだ部屋の中に来ていなかったものね。あとで潜航艇をおりて、あの丸い、かくし戸から、部屋にはいってきたんだよ。」
 小林君は、息もつかずに言って、少年助手のうつくしい顔を見つめました。
「そのとおりだよ。きみにしては、気づくのがおそかったね。」
 少年は、あたりまえだと言わぬばかりに、ニヤニヤ笑っています。
 そのとき、博士が、ふたりを呼ぶ声が、聞こえました。
「おい、きみたち、いたぞ、いたぞ。宇宙怪人が、みつかったぞ。」

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