此花（このはな）

此花（このはな） （大阪府大阪市）

　　 王仁が詠んだ「難波津に　咲くやこの花」の古歌から引用
 

　大阪市二四区のなかでも、第二位の面積を占める此花区。近年では、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を中心とし、ウォーターフロントの立地を活かした再開発がなされている。

　此花区の土地が大阪市となったのは、一八九七（明治三十）年四月の第一次市域拡張の際である。それまでは西にし成なり郡だった。

　その後、一九二五（大正十四）年の第二次市域拡張によって当時の北区、西区の一部と合併、第一次此花区が生まれた。

　さらに、一九四三（昭和十八）年四月の分・増区によって、福島・西野田の地域が福島区に分離され、西淀川区のなかの伝法・高見地区が編入されて、現在の此花区に落ち着いた。

　ところで、この地名の由来は、その第二次市域拡張のとき、北区と西区から分かれて新しい区となるため、玉川、福島、朝日、野田、四貫島など新区名候補がいくつも挙がったが、その昔、王わ仁にが詠んだとされている古歌、「難波なにわ津つに　咲くやこの花冬ごもり　今は春べと　咲くやこの花」から引用して、「此花」と名付けられたという。