この能力はそう簡単なものとは思えない。赤ん坊は目でお母さんの顔を見て、それを自分の顔の形を変える筋肉の活動に訳さなければならない。大人なら鏡を見て自分の顔がどう変わるか分かるが、生まれて数ヶ月の赤ん坊にそんなことはできない。
クール(研究者の名前)の最近の研究によると、赤ん坊はお母さんの口の形を見ただけで、それがどの声に対応するかを知っているそうだ。クールは次のような実験で、これを証明した。
まず、スピーカーから「ア」という音を出す。そして、二つのテレビの画面のうち、一つにはお母さんが「ア」というときの顔を見せ、もう一つの画面には「イ」の声を出している顔を映す。そして、隠しカメラで赤ん坊の目や頭が、どちらを向いているか記録してみると、赤ん坊は「ア」と言っている顔のほうに目や頭を向けることがわかる。
人間の社会では声と顔の表情が大切な信号だから、赤ん坊が声と顔の関係を早く習う能力を持って、生まれてくるのであろう。( )、口の形と声との関連性は、赤ん坊の頃から頭に焼き付けられる。
1、( )に入る最も適当な言葉はどれか。
①しかし
②しかも
③といっても
④このように