それには、家庭や学校などの集団の中で、子ども自身に自分のありようを意識させることです。そして、きれいで美しい食べ方ができたときには「きれいに食べられたね」「かっこよく見えるよ」と褒めてあげましょう。
子どもは褒められたことで「またこのようにしてみよう」と思います。こうして美しいマナーが習慣となり、その場に応じた美しい自己のふるまいを身につけていくことができるのでしょう。
ところで、皆さんは食事のマナーが成立するには「他者との関係」が不可欠であることにお気づきでしょうか。
人は人前で食事をするとき、一人で食べるよりもそれなりに整った食べ方をしようとするものです。それは「自分をよく見せたい、人からよく見られたい」という気持ちが根底にあるからです。だから、食事のマナーを感ずることが少ないのではないでしょうか。近頃の家庭の多く見られる「子どもの独食」は、子どもに適切なマナー観を身につけさせるという意味においても考慮すべき問題であると言えるのではないでしょうか。
1、「自分のありようを意識させる」とあるが、どういうことか。
①自分のふるまいがきれいかどうかを意識させる。
②他の人に自分が迷惑をかけているのだと意識させる。
③他の人から見て自分が美しく見えているのだと意識させる。
④家庭や学校などの集団の中で自分の置かれている立場を意識させる。
2、子どもに食事のマナーを身につけさせるために筆者が勧めているのはどれか。
①親の考え方を子どもに押し付ける。
②時々、①人で食事をさせるようにする。
③子どもが美しく食べたときに褒めてやる。
④子どもにマナーの意味を説明して納得させる。
3、子どもが一人で食事をする「独食」について、筆者はどのように考えているか。
①一人で食事をしていると正しいマナーが身につきにくい。
②一人で食事をすることで適切なマナー観が身についていく。
③人は一人で食べるときの方が正しい食べ方をしようとする。
④一人で食事をするときでも正しいマナーで食べなければならない。