はじめは当惑しました。お前はもう若くないんだ、と不躾に言われたような気がして、ちょっと対応が乱れたりしましたけど、まあ、今はそんなことを言いたいのではない。
そういう質問をされて、自分が長い間、人に、どう生きてほしい、などと願ったりすることから遠いところにいたんだな、ということに気がついたのです。だいたい、若い人にどう生きてほしいなってみたって、いうことをきく人がいるものかと、自分の若いころを顧みて、そう思うし、多少は影響を与え得るかもしれない自分の子供に対しても、ほとんどそういうことは願わずに生きてきました。
1、「気がついたのです」とあるが、筆者はどんなことに気がついたのか。
①「若い人にどのように生きてもらいたいか」というような質問を、自分はされたくないと思っていたこと。
②「若い人にどう生きてほしいか」というような生き方についての話をする年齢に、自分がなっていたこと。
③もう若くはない自分が若い人に人生について語っても、聞いてくれる人はいないと思っていたこと。
④自分の子供を含めて若い人にどう生きてほしいかということを、今まで望んだことがなかったこと。