初级阅读（161）

　　年功序列制は、言うまでもなく終身雇用制と密接な関係に立つもので、戦争中の非常時体制という特殊条件のもとにいっそう助長され、さらに戦後の組合運動によっていやがうえにも（注①）徹底した形に発達したのであるが、明治以来の日本の近代化への歴史全体を通じて、（労働者の不足、過剰にかかわらず）年功序列制——終身雇用制への志向が見られる。

　　だが、ここ数年、アメリカ式能力主義への切り替えが呼ばれ、さまざまな提案、試みがなされているが、現実的には多くの困難を抱えている。

　　この社会においても、この年功序列制と能力性という二つの方法は、多かれ少なかれ存在し、組織として取り入れられているわけであるが、日本の場合、常に前者に圧倒的な比重がかかり、バランスがいつもそちらにかかるという現象が見られる。

　　組織として年功序列制の長所は、いったん雇用関係が設定されば、その後、なんらか変更、是正の処置をとる必要がないというシステマティックな運営になる。もちろん、この方法を取る前提には、個人の能力差というものをミニマル（注②）に考えるわけで、せいぜい学歴差といった大ざっぱな枠によるわけである。

　　伝統的に日本人は「働き者」や「怠け者」というように、個人の努力差には注目するが「誰でもやればできるんだ」という能力平等観が非常に根付く存在している。

注①：いやがうえにも：（連語）なお、いっそう

注②：ミニマル：最小限

 

1、日本では、年功序列制に圧倒的な比重がかかる主な原因は何か。

①伝統的に日本人は「働き者」や「怠け者」というように、個人の努力差には注目する。

②いったん雇用関係が設定されば、その後、なんらか変更、是正の処置をとる必要がない。

③年功序列制は終身雇用制と密接な関係に立つ。

④日本では、能力平等観が非常に根強く存在している。

 

2、この文章のまとめとして最も適当なものはどれか。

①日本では、アメリカ式能力主義へのさまざまな提案がなされているが、現実的には多くの困難を抱えている。

②日本では、連行序列制に圧倒的な比重がかかる。

③組織として年功序列制の長所は何か。

④年功序列制は、終身雇用制と密接な関係に立つものである。