(中略)
まず、先輩のほうから見てみよう。確かに上司の受けがいいほうが、なにかと組織の中では有利である。仕事だって進めやすいし、何より、同じミスをしても風当りがまるで違う。上司と折り合いが悪いと、職場は針の筵と化す。
もちろん、上からの引き立てというのは、昇進や出世にも有利に働く。(中略)やっぱり先輩を立てておいた方が得なのだろうか。
けれども、今度は後輩の重要性を考えてみよう。まず、後輩は若くて、皆かわいい。いっしょに仕事をしていて、なんだか楽しい(これは見過ごされることが多いけど、とても大事だ)。上司は保護と監督を離れた位置からするけれど、後輩たちとはいっしょにチームを組んで現場の仕事を回していく。ともに過ごす時間が長いのだ。上司に睨まれるのが針の筵なら、部下たちから疎まれるのは、宙ぶらりんの爪弾き地獄である。
改めて考えてみると、先輩は時が経つほど数が減っていく。会社などという竜宮城に入ると、5年、①0年くらいの時間はあっという間である。気がつけば、後輩のほうが多数派になっているものなのだ。
そんなとき、上司のほうばかり向いていた人間はつらい。あの人は上にだけ従順で、下の人間はないがしろにする。そんなシールが一回貼られてしまうと、組織の中ではバツがつけられたと同じなのだ。
さらに上司の引き立てで人より早くいいポジションを得るよりも、たとえ人より遅くとも部下から押し上げられて同じ地位に就いたほうが、その後の仕事は断然うまく運ぶものだ。
やっぱり後輩を大切にしたほうがいいのだろうか。
うーん、困ってしまうなあ。
1、「そんなとき」とあるが、どんなときか。
①会社に入って5年、①0年経ったとき。
②会社に入ってからのあっという間。
③先輩より後輩のほうが多くなっているとき。
④後輩より先輩のほうが多くなっているとき。
2、「バツがつけられた」とあるが、誰がつけるのか。
①上司
②先輩
③会社
④後輩
3、「その後の仕事は断然うまく運ぶものだ」とあるが、どうしてか。
①他の人より遅く上の地位に就いたほうが、同情されるから。
②他の人より早く上の地位に就いたほうが、信頼されるから。
③部下から信頼されて、協力してもらえるから。
④いやな上司がいなくなっているので、やりやすくなっているから。