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初级阅读(269)

时间: 2017-06-27    进入日语论坛
核心提示: これまでに一度だけ、友人に金を貸したことがある。もともと個人間での金の貸し借りはしないと決めているから、最初から返して
(单词翻译:双击或拖选)
 これまでに一度だけ、友人に金を貸したことがある。もともと個人間での金の貸し借りはしないと決めているから、最初から返してもらうことは期待していなかった。こちらから返済を求めたことはない。向こうから「返さない」と言われたわけでもない。そんな中途半端な貸し金だ。
 三か月かけて車でオーストラリア大陸を横断するという度の費用で、わずかな金額ではなかった。
 もちろん私は慈善家ではないから、金を出したのには理由がある。人生が変わるかどうか、知りたかった。
 それ以前の何年か、彼は家庭でも、仕事でも不本意な状況に置かれていた。その苦しみがどれほどのものであったかは知らないが、彼はある日、すべてを投げ捨てて旅に出ることを決意し、その金を工面するために私のところにやってきた。
 彼はこの度で、人生がやり直せると信じていた。
 旅の目的は、誰もいない深夜中の砂漠で、赤い月とともに踊り明かすというものだった。こんな荒唐無稽な話になぜ魅すられたのか、自分でも不思議だった。
 誰もが心のどこかで、人生をリセットしたいと考えている。だが残念なことに、人生にはコンピュータゲームのようなリセットボタンはない。
 私たちが暮らす高度化された資本主義社会では、人生を変えたいと望む人々のために、さまざまに便利な方法が用意されている。新興宗教、自己啓発セミナー、(中略)薬物などはどれも、人生をリセットするためのお手軽な道具の一種だ。
 (中略)
 私たちは、これらの方法がすべて幻想であることを知っている。だがその一方で、どこかで人生を変える出来事を願ってもいる。
 (中略)
 私にも、漂泊への抗いがたい憧憬がある。非日常の世界に身を投じたいという衝動がある。砂漠の月光の中で踊りたかったのは、(    )。
 
1、「人生が変わるかどうか、知りたかった」とは、誰の人生が変わるのか。
①金を借りた友人の人生
②金を貸した私の人生
③金を貸した私とその友人の人生
④現在生活して一般の人々の人生
 
2、(   )に入れる文章で最もよいものを選びなさい。
①私ではなく、彼自身だったのだ。
②彼ではなく、私自身だったのだ。
③私ではなく、一般の人々だったのだ。
④彼ではなく、一般の人々だったのだ。
 
3、この文章の著者の気持ちと一番近いものはどれか。
①人生を変えるのは難しいが誰でもそういう気持ちがあり、それを実現させるために努力しなければいけない。
②人生を変えるためには自己啓発セミナーや薬物などがあるが、それらより、長期の旅行が一番だ。
③人生を変えるために旅行やいろいろな方法があるが、ゲームのようなリセットボタンがないので大変だ。
④人生を変えることは簡単ではないと分かっているが、人生が変わればいいと願っている自分がいる。
 
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